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こんにちは。旅行宿泊探訪記、運営者の「TrekTide」です。
「隠岐の島(おきのしま)」と「沖ノ島(おきのしま)」、声に出して読むとまったく同じ響きですが、この二つの島が全く別の場所にあり、性格も大きく異なることをご存知でしょうか。名前が似ているので、世界遺産なのはどっちだっけ?と混乱してしまうこともありますよね。観光でのアクセス方法や、なぜ片方は上陸禁止で女人禁制という厳しい掟があるのか、などたくさんの疑問が浮かんでくるかなと思います。この記事では、そんな隠岐の島と沖ノ島の違いを分かりやすく解き明かし、それぞれの島が持つユニークな魅力に迫っていきます。
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この記事でわかること
- 隠岐の島と沖ノ島の基本的な場所と特徴の違い
- 世界遺産に登録されているのはどちらの島か
- それぞれの島へのアクセス方法と観光できるかどうか
- 沖ノ島が持つ神聖な歴史的背景と上陸禁止の理由
一覧比較でわかる隠岐の島と沖ノ島の違い

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まずは「隠岐の島」と「沖ノ島」が、どれだけ違うものなのか、全体像を掴んでみましょう。名前は似ていますが、場所から目的まで、まったくの別物だということが一目でわかるかなと思います。
隠岐の島と沖ノ島はどっちがどっち?
二つの島の基本的な情報を比較表にまとめてみました。これを見るだけで、基本的な違いはスッキリ整理できるはずです。
| 項目 | 隠岐の島(おきのしま) | 沖ノ島(おきのしま) |
|---|---|---|
| 所在地 | 島根県 隠岐郡 | 福岡県 宗像市 |
| 島の構成 | 4つの有人島と約180の無人島からなる諸島 | 九州本土から約60km離れた玄界灘に浮かぶ単一の島 |
| 世界的な評価 | 世界ジオパーク | 世界文化遺産 |
| 観光の可否 | 可能(フェリーや飛行機でアクセス) | 原則として上陸禁止 |
| 主な特徴 | ・雄大な自然景観(国賀海岸など) ・地球の活動がわかる地質遺産 ・マリンアクティビティが盛ん |
・島全体が宗像大社の御神体 ・「神宿る島」 ・女人禁制などの厳しい掟 |
こうして並べてみると、同じ「おきのしま」という名前でも、まったく違う個性を持っているのがわかりますね。
島根県の隠岐の島と福岡県の沖ノ島
まず押さえておきたいのが、所在地の違いです。
隠岐の島は、島根半島の北方、日本海に浮かぶ島々のことです。島後(どうご)と呼ばれる一番大きな島と、島前(どうぜん)と呼ばれる西ノ島・中ノ島・知夫里島の3つの有人島を中心に構成されています。地図で見ると、島根県から少し離れた場所に、いくつかの島がまとまって存在しているのがわかりますね。
一方、沖ノ島は、福岡県宗像市に属する島で、九州本土から約60kmも離れた玄界灘にぽつんと浮かんでいます。こちらは隠岐の島とは違い、周囲約4kmの孤島です。この距離感が、島をより一層神秘的な存在にしているのかもしれません。
観光できる隠岐の島へのアクセスは?
「旅行で行けるのはどっち?」と聞かれれば、それは間違いなく島根県の隠岐の島です。こちらは観光地として多くの人々を受け入れています。
主なアクセス方法は2つです。
隠岐の島へのアクセス方法
- 飛行機:大阪(伊丹)空港と出雲縁結び空港から「隠岐世界ジオパーク空港」へ直行便が運航しています。フライト時間は約50分~30分と、あっという間に到着します。
- 船(フェリー・高速船):鳥取県の境港、または島根県の七類港から出ています。時間はかかりますが、車をそのまま載せていける大型フェリーもあり、船旅の情緒を味わえるのが魅力ですね。
島に渡ってしまえば、レンタカーや路線バス、観光タクシーなどを使って、雄大な自然景観を巡ることができます。非日常的な島の時間を満喫できるのが、隠岐の島観光の醍醐味かなと思います。
なぜ沖ノ島への上陸は禁止なのか
では、なぜ福岡県の沖ノ島には上陸できないのでしょうか。その理由は、この島が持つ極めて神聖な性格にあります。
沖ノ島は、島そのものが宗像大社沖津宮の御神体とされており、一般人の立ち入りは固く禁じられています。古くから「神宿る島」として崇められ、島での一切を口外してはならない「お言わず様」という掟が存在するなど、厳格な禁忌が守られてきました。
2017年に世界文化遺産に登録されたことを機に、島の環境と遺跡を未来永劫守っていくため、研究者や神職の方々でさえも、特別な祭事などを除いて上陸は原則として禁止されることになりました。私たち一般人が島に足を踏み入れることは、残念ながらできません。
注意点
沖ノ島への観光ツアーや渡航を謳う非公式な船などが存在する可能性もゼロではありませんが、島の神聖さと保全の観点から、絶対に参加しないようにしてください。私たちは遠くから島を拝む(遥拝する)ことで、その神聖さに触れることができます。
宗像大社と沖ノ島の神聖な関係
沖ノ島を理解する上で欠かせないのが、宗像大社(むなかたたいしゃ)の存在です。
宗像大社は、九州本土にある「辺津宮(へつぐう)」、沖合の大島にある「中津宮(なかつぐう)」、そして玄界灘の孤島・沖ノ島にある「沖津宮(おきつぐう)」の三宮の総称です。この三宮に、宗像三女神(むなかたさんじょしん)と呼ばれる三姉妹の神様がそれぞれ祀られています。
- 辺津宮:市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)
- 中津宮:湍津姫神(たぎつひめのかみ)
- 沖津宮:田心姫神(たごりひめのかみ)
沖ノ島は、長女である田心姫神が祀られている場所。そして、島全体がその御神体なのです。古代から大陸との交流の要所であったこの海域で、国家の安寧と航海の安全を祈るための祭祀が、この沖ノ島で脈々と行われてきました。この神聖な背景こそが、沖ノ島を他の島々と一線を画す特別な存在にしているのですね。
隠岐の島と沖ノ島の違いを深掘り解説

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さて、基本的な違いがわかったところで、次はもう少しだけ深掘りしてみましょう。「世界遺産」と「ジオパーク」って何が違うの?「女人禁制」の理由って?など、気になるポイントを詳しく解説していきます。
隠岐の島は世界遺産ではない?
よくある誤解の一つに、「隠岐の島も世界遺産だと思っていた」というものがあります。結論から言うと、隠岐の島は世界遺産ではありません。
隠岐の島が認定されているのは、「世界ジオパーク」です。こちらもユネスコの支援するプログラムですが、世界遺産とは目的や意味合いが少し異なります。壮大な自然景観が広がっているため世界遺産と混同されやすいのですが、この違いを知ると、それぞれの島の魅力がより深く理解できると思います。
世界遺産とジオパークの違いとは
では、「世界遺産」と「世界ジオパーク」はどう違うのでしょうか。簡単に言うと、目的が少し異なります。
世界遺産と世界ジオパークの目的の違い
世界遺産(World Heritage)
「顕著な普遍的価値」を持つ文化財や自然を、人類共通の宝として保護・保全することを最大の目的としています。福岡県の沖ノ島はこちらに分類され、古代祭祀の跡や国宝級の奉献品が手付かずの自然とともに残っている点が評価されました。「守ること」に重きが置かれています。
世界ジオパーク(Global Geoparks)
地球の活動の遺産(ジオ)を保護し、それを教育や持続可能な開発(ツーリズムなど)に「活用すること」を目的としています。島根県の隠岐の島は、日本海が拡大していく過程で形成された独特の地形や地質が、地球の成り立ちを学ぶ上で非常に価値が高いと評価されました。こちらは守るだけでなく、観光などを通じてその価値を伝えていく活動も重視されています。
沖ノ島は「人類の宝として厳重に守るべき場所」、隠岐の島は「地球の歴史を学び、楽しめる場所」と考えると、分かりやすいかもしれませんね。
沖ノ島はなぜ女人禁制なのか解説
沖ノ島が持つもう一つの大きな特徴が「女人禁制」という厳しい掟です。これにはいくつかの説がありますが、はっきりとした理由は記録に残っていないようです。
代表的な説としては、以下のようなものが挙げられます。
- 祭神が女神であるため
沖ノ島に祀られている田心姫神は女神です。そのため、他の女性が島に入ると嫉妬してしまう、という信仰に基づく説です。神社の神聖さを保つための伝統的な考え方の一つですね。 - 航海の危険性のため
昔は小さな手漕ぎ舟で荒波の玄界灘を渡っていました。出産や月経などがある女性にとって、その航海はあまりにも過酷で危険すぎたため、安全を考慮して禁じられたという説です。非常に現実的な理由かなと思います。
いずれにせよ、この伝統は現代まで受け継がれており、島の神聖さを象徴する掟の一つとなっています。
隠岐の島の観光とジオパークの魅力
一方、私たちが実際に訪れることができる隠岐の島は、ジオパークならではの魅力にあふれています。
最大の見どころは、やはり地球の営みを感じさせるダイナミックな景観です。特に西ノ島の国賀海岸(くにがかいがん)は圧巻の一言。高さ257mを誇る海食崖「摩天崖(まてんがい)」の上から見下ろす景色や、巨大な岩のアーチ「通天橋(つうてんきょう)」など、自然が作り出したアートに心を奪われます。
その他にも、夕陽を浴びるとまるでロウソクに火が灯ったように見える「ローソク島」や、断崖絶壁が赤く染まる「赤壁(せきへき)」など、見どころは尽きません。
また、シーカヤックで洞窟を探検したり、透明度の高い海でダイビングを楽しんだりと、美しい自然を体全体で感じられるアクティビティが豊富なのも魅力。ただ景色を見るだけでなく、地球の歴史に触れながら遊べる、まさに「ジオパーク」ならではの楽しみ方ができる場所ですね。
沖ノ島の歴史的価値と海の正倉院
上陸はできませんが、沖ノ島の歴史的価値は計り知れません。この島は、別名「海の正倉院」とも呼ばれています。
その理由は、4世紀後半から9世紀末まで、約500年間にわたって行われた古代祭祀で奉納された品々が、手付かずのまま大量に出土したからです。その数、なんと約8万点。しかも、そのすべてが一括して国宝に指定されています。
沖ノ島から出土した主な国宝
- 朝鮮半島由来の金製指輪
- 中国大陸で作られた三角縁神獣鏡(どうきょう)
- 遠くシルクロードを経由してきたカットグラス碗(ガラスの器)
これらの奉献品は、当時の日本が積極的に大陸と交流していたことを示す貴重な証拠です。島全体が神聖な場所として人の立ち入りを拒んできたからこそ、奇跡的に現代まで残ったのですね。
これらの国宝の一部は、九州本土にある宗像大社辺津宮の隣の「神宝館(しんぽうかん)」で常時展示されています。沖ノ島へは行けませんが、神宝館を訪れることで、その歴史の奥深さに触れることができますよ。
まとめ:隠岐の島と沖ノ島の違いを再確認
最後に、隠岐の島と沖ノ島の違いをもう一度まとめておきましょう。
- 隠岐の島(島根県):複数の島からなる諸島で、観光が可能。世界ジオパークに認定されており、地球の歴史を感じる雄大な自然景観やアクティビティを楽しめる。
- 沖ノ島(福岡県):玄界灘に浮かぶ孤島で、原則上陸禁止。世界文化遺産に登録されており、「神宿る島」として古代祭祀の歴史と約8万点の国宝を今に伝えている。
名前は似ていますが、一方は「訪れて楽しむ大自然の島」、もう一方は「遠くから祈りを捧げる神聖な島」と、その性格は全く異なります。この違いを知ることで、日本の島々が持つ多様な魅力に、さらに興味が湧いてくるのではないでしょうか。
もし次の旅行先を考えるなら、地球のダイナミズムを体感できる隠岐の島は、素晴らしい選択肢になるかなと思います。私もいつか、あの絶景をこの目で見に行きたいです。