
イメージ画像:旅行宿泊探訪記 作成
こんにちは。旅行宿泊探訪記、運営者の「TrekTide」です。
雄大な自然の中にリゾートが広がる北海道のトマム。私も大好きな場所の一つですが、この「トマム」という地名が、普段カタカナで表記されている理由について考えたことはありますか?実は、トマムには「苫鵡」というちゃんとした漢字表記があるんです。そして、その由来を調べてみると、アイヌ語の歴史や周辺の地名との深い関係が見えてきます。なぜこの漢字が使われるようになったのか、公式表記がカタカナになった経緯、そして有名な星野リゾート トマムと地名の関係など、知れば知るほど面白い背景が隠されていました。この記事では、そんなトマムの漢字に関する謎を一つひとつ解き明かしていきます。
星野リゾート トマム 【公式】Hoshino Resorts TOMAMU ...
関連
この記事でわかること
- トマムの正しい漢字表記「苫鵡」とその読み方
- アイヌ語を語源とする漢字の由来と意味
- 現在の公式表記がカタカナである理由
- 占冠村や鵡川など周辺地名との興味深い関係
トマムの漢字「苫鵡」の由来と基本知識

イメージ画像:旅行宿泊探訪記 作成
まずは、トマムの漢字表記にまつわる基本的な情報から見ていきましょう。普段何気なく目にしているカタカナの「トマム」ですが、その裏には歴史を感じさせる漢字の存在がありました。その由来を知ると、トマムという土地への見方が少し変わるかもしれませんね。
正しいトマムの漢字表記は「苫鵡」
結論から言うと、トマムの正しい漢字表記は「苫鵡」です。なかなか見慣れない漢字の組み合わせなので、初めて見た方は少し驚くかもしれません。私も最初に知ったときは「こんな字を書くんだ!」と新鮮な気持ちになったのを覚えています。
現在では、駅名やリゾート名がカタカナで「トマム」と表記されるのが一般的なので、この漢字表記を見る機会は少なくなっています。しかし、地名としてのルーツはこの「苫鵡」にあり、北海道の歴史を物語る重要な手がかりの一つなんですね。
「苫鵡」の気になる読み方とは
「苫鵡」という漢字、一見すると少し読みにくいかもしれませんが、読み方はそのまま「とまむ」です。難読地名が多い北海道の中では、比較的素直な読み方と言えるかもしれません。
ただ、「苫」も「鵡」も日常的に使う漢字ではないので、知らないと少し戸惑ってしまいますよね。特に「鵡」は、隣を流れる「鵡川(むかわ)」でも使われる字ですが、単体で目にすることは少ないかなと思います。
トマムの漢字の由来はアイヌ語だった
さて、ここからが本題です。なぜ「トマム」という地名になったのか。その答えは、北海道の多くの地名と同じく、アイヌ語に由来していました。
トマムの語源となったアイヌ語は「トマム(tomam)」と言われています。この言葉が持つ意味は、「湿地」や「湿地のある土地」です。実際に、トマム地区は鵡川の源流部に位置しており、かつては湿地の多い場所だったことが想像できますね。
アイヌ語の地名
北海道には、アイヌの人々が自然の特徴や土地の様子を名付けた地名が数多く残っています。「札幌(サッ・ポロ・ペッ=乾いた大きな川)」や「登別(ヌプル・ペッ=色の濃い川)」なども有名ですね。トマムもその一つで、地名は先住民族の暮らしや文化を知る貴重な資料なんです。
雄大なリゾート地のイメージが強いトマムですが、その名前のルーツが「湿地」という意味だったとは、なんだか面白いギャップを感じます。
なぜ「苫」と「鵡」の漢字が使われたのか
アイヌ語の「トマム」という音に、なぜ「苫」と「鵡」という漢字が当てられたのでしょうか。これは、明治時代の開拓期に、アイヌ語の地名に日本語の漢字を当てはめる「当て字」が行われたためです。
この2つの漢字が選ばれたのは、純粋に音を借りたもので、漢字本来の意味と地名の由来との間に直接的な関係は薄いと考えられています。
- 苫(とま):スゲやチガヤで編んだむしろのこと。
- 鵡(む):鳥のオウムを指す漢字。
「湿地」という意味とは全く関係がないですよね。当時の人々が、アイヌ語の音に近い響きを持つ漢字を苦心して探し、当てはめた結果が「苫鵡」だったというわけです。こうした当て字の背景を知ると、開拓時代の歴史の一端に触れられるような気がします。
現在の公式表記がカタカナの理由
漢字表記が「苫鵡」であるにもかかわらず、なぜ現在では「トマム」というカタカナ表記が主流なのでしょうか。これにはいくつかの理由が考えられます。
大きなきっかけとなったのは、1981年(昭和56年)に開業した国鉄(現JR北海道)の駅名です。この時、駅名が「トマム駅」とカタカナで命名されました。観光地として開発を進めるにあたり、漢字の「苫鵡」よりも、より親しみやすく、現代的で明るいイメージを持つカタカナ表記が選ばれたと言われています。
その後、スキー場やリゾートホテルが開業し、「アルファリゾート・トマム(現:星野リゾート トマム)」として大規模な開発が進むにつれて、カタカナの「トマム」という名前が全国的に定着していきました。今ではすっかりカタカナ表記の方が馴染み深いですよね。
トマムの漢字と周辺地名の深い関係

イメージ画像:旅行宿泊探訪記 作成
トマムという地名は、単独で存在するわけではありません。その周辺にある地名や川の名前と深く関わり合っています。ここからは、トマムを取り巻く地名とのつながりを探っていきましょう。地図を片手に見てみると、より面白く感じられるかもしれません。
占冠村の漢字としむかっぷのアイヌ語の意味
トマムが属しているのは、占冠村(しむかっぷむら)です。この「占冠」という地名も、実はトマムと同じくアイヌ語がルーツになっています。
占冠(しむかっぷ)の語源は、アイヌ語の「シモカプ」。これは「とても静かで平和な上流の場所」といった意味を持つ言葉です。鵡川の上流に位置するこの地域の、穏やかで美しい自然環境を的確に表現した名前ですよね。
「湿地」を意味するトマムと、「静かな上流の場所」を意味する占冠。この2つの地名が合わさることで、このエリアの原風景が目に浮かぶような気がします。
「鵡川」の漢字との地理的なつながり
トマムの地名を語る上で欠かせないのが、鵡川(むかわ)の存在です。トマム地区は、北海道南部に広がる太平洋へと注ぐ一級河川、鵡川のまさに源流部に位置しています。
注目したいのは、トマムの漢字「苫鵡」と、鵡川の「鵡」に同じ漢字が使われている点です。これは偶然ではありません。地名と河川名が密接に関係している証拠と言えます。
鵡川の名前の由来にも諸説ありますが、アイヌ語の「ムカ・ペッ(塞がる川)」から来ているという説などが有力です。トマムという地名も、この鵡川の流域にある「湿地」として認識されていたのかもしれませんね。
陸別町の斗満とトマムの違いを解説
ここで少しややこしい話なのですが、北海道にはもう一つ「とまむ」と読む地名が存在します。それは、十勝地方にある陸別町(りくべつちょう)の「斗満(とまむ)」です。
混同に注意!
占冠村の「苫鵡(トマム)」と陸別町の「斗満(とまむ)」は、読み方が同じで漢字が違う、全く別の場所です。旅行の計画などを立てる際は、間違えないように注意が必要ですね。
陸別町の斗満も、アイヌ語の「トゥマム・ペッ(湿地の川)」が由来とされており、語源は占冠村のトマムと非常に似ています。北海道には、同じような地形の場所に似たようなアイヌ語地名が付けられているケースが多く、これもその一例と言えるでしょう。
星野リゾート トマムと地名の関係は?
今や「トマム」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、「星野リゾート トマム」ではないでしょうか。雲海テラスやスキー場で知られるこの広大なリゾートは、まさにトマムの代名詞的な存在です。
星野リゾート トマムは、その名の通り「トマム」という地名をそのままリゾート名に冠しています。このリゾートの成功が、カタカナ表記の「トマム」という名前を全国的に、さらには世界的に有名にした最大の要因と言っても過言ではありません。
リゾートがこの土地の歴史的な名前を尊重し、ブランドとして掲げたことで、地名の認知度は飛躍的に向上しました。地名の由来を知った上でリゾートを訪れると、滞在がより感慨深いものになるかもしれませんね。
北海道の難読地名とアイヌ語の事例
トマムや占冠のように、北海道にはアイヌ語をルーツに持つ地名、特に難読地名が本当にたくさんあります。これらは、和人が開拓を進める中で、耳で聞いたアイヌ語の音に漢字を当てはめた結果生まれたものです。
アイヌ語由来の難読地名の例
- 長万部(おしゃまんべ):オ・シャマンベ(カレイが獲れる川尻)
- 倶知安(くっちゃん):クチャ・アン・ナイ(小屋のような崖がある沢)
- 忍路(おしょろ):ウショロ(入り江)
- 濃昼(ごきびる):ポキンピル(蔭の崖)
こうした地名の由来を一つひとつ調べていくと、その土地の地形や特徴、歴史が見えてきて、まるで謎解きをしているような面白さがあります。旅先で気になる地名を見つけたら、ぜひそのルーツを探ってみることをおすすめします。
まとめ:トマムの漢字は歴史を知る第一歩
今回は、トマムの漢字「苫鵡」をテーマに、その由来から周辺地名との関係までを掘り下げてみました。
普段、何気なくカタカナで目にしている「トマム」という地名。その背景には、アイヌ語の「湿地(tomam)」という言葉があり、開拓時代に「苫鵡」という漢字が当てられ、そしてリゾート開発と共にカタカナの「トマム」が定着していった、という長い歴史の物語がありました。
地名一つをとっても、そこには先住民族の文化や開拓の歴史、そして現代へと続く人々の営みが刻まれています。次にトマムを訪れる機会があれば、ぜひ「ここはかつて広大な湿地だったのかもしれないな」と、その土地のルーツに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。きっと、いつもとは違う景色が見えてくるはずですよ。