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こんにちは。旅行宿泊探訪記、運営者の「K」です。
「比叡山延暦寺に行ってみたいけど、そもそも何県にあるんだろう?」と思ったことはありませんか。地図を見ると滋賀県と京都府の県境にあって、どっちなのか分かりにくいですよね。住所はどこで、車でのアクセス方法はどうなっているのか、電車やバスで行くならどうすればいいのか、観光にはどのくらいの所要時間を見ておけばいいのか、疑問は次々と湧いてくるかもしれません。また、世界遺産としての価値や、いただける御朱印の種類についても気になるところだと思います。
天台宗総本山 比叡山延暦寺 [Hieizan Enryakuji]
この記事では、そんな比叡山延暦寺の場所にまつわる謎から、具体的な観光情報まで、あなたの「知りたい!」にしっかりお答えしていきます。これを読めば、比叡山延暦寺への旅の計画がぐっと立てやすくなりますよ。
(延暦寺)関連
この記事でわかること
- 比叡山延暦寺の正式な住所と県境の謎
- 京都と滋賀それぞれのアクセス方法と所要時間
- エリア別の見どころと国宝根本中堂の魅力
- 参拝に役立つ拝観料や御朱印、駐車場の情報
比叡山延暦寺は何県?滋賀と京都にまたがる謎を解説

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まず最初に、誰もが気になる「比叡山延暦寺は何県にあるの?」という疑問を解決していきましょう。この謎めいた立地が、比叡山の歴史とスケールの大きさを物語っていますね。
正式な住所は滋賀県、でも京都府にも?
結論から言うと、比叡山延暦寺の正式な住所は「滋賀県大津市坂本本町4220」です。
なので、「何県?」と聞かれたら、答えは「滋賀県」が正解ということになります。延暦寺の中心的な建物である根本中堂(こんぽんちゅうどう)をはじめ、主要な堂塔が建つ「東塔(とうどう)」エリアは滋賀県大津市にあります。
ただ、話がややこしいのは、広大な比叡山の山全体が延暦寺の境内とされている点です。その境内は滋賀県大津市と京都府京都市左京区にまたがっており、実際に京都府側に位置する建物も存在するんですね。
豆知識:なぜ県境に?
比叡山は、古くから京都の鬼門(北東の方角)を守る重要な場所とされてきました。平安京が遷都されるよりも前から、伝教大師(でんぎょうだいし)最澄(さいちょう)がこの地に草庵を結んだのが始まりです。当時はもちろん「県」という概念はなく、都を守る神聖な山として崇められていたんですね。その歴史的な背景が、現在の県境をまたぐというユニークな立地に繋がっているのかもしれません。
つまり、登録されている住所は滋賀県ですが、境内は京都府にも広がっている、というのが正確な理解になります。このスケールの大きさが、延暦寺の魅力の一つとも言えますね。
京都と滋賀からのアクセス方法を徹底比較
比叡山延暦寺は滋賀と京都にまたがっているだけあって、アクセス方法もそれぞれの県からルートがあります。どちらから登るかで、見える景色や体験も変わってくるので、自分に合ったルートを選ぶのがおすすめです。
| 出発地 | ルート概要 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 京都側から | 叡山電車 → 叡山ケーブル → 叡山ロープウェイ → シャトルバス | 京都市内からのアクセスが便利。ケーブルカーからの眺めが美しい。 | 乗り換えが多い。冬季はケーブル・ロープウェイが運休する。 |
| 滋賀側から | JR・京阪「坂本駅」→ 坂本ケーブル | 日本最長のケーブルカーに乗れる。通年運行している。 | 京都駅からの移動時間は少し長め。 |
京都側からのアクセス
京都市内から向かう場合は、出町柳駅から出ている叡山電車に乗るのが一般的ですね。「八瀬比叡山口駅」で下車し、そこから叡山ケーブル、さらに叡山ロープウェイを乗り継いで比叡山頂を目指します。ロープウェイを降りた後は、山内シャトルバスで各エリアへ移動する形です。乗り換えは多いですが、道中の景色、特に紅葉の時期のケーブルカーからの眺めは格別ですよ。
冬季運休に注意!
叡山ケーブルとロープウェイは、例年12月上旬から3月中旬頃まで冬季運休となります。この期間に京都側から公共交通機関で向かうことはできないので、事前に運行情報を公式サイトで必ず確認してください。
滋賀側からのアクセス
滋賀県側からは、JR湖西線の「比叡山坂本駅」または京阪石山坂本線の「坂本比叡山口駅」からバスか徒歩で坂本ケーブルの乗り場へ向かいます。この坂本ケーブルは、なんと全長2,025mを誇る日本一長いケーブルカーなんです!約11分間の乗車中は、眼下に広がる琵琶湖の絶景を楽しめます。こちらは通年運行しているので、冬場に訪れる場合は滋賀側からのルートが基本になりますね。
観光に必要な所要時間はどのくらい?
比叡山延暦寺は非常に広大で、「東塔(とうどう)」「西塔(さいとう)」「横川(よかわ)」という3つのエリアに分かれています。そのため、どれくらい時間をかけるかによって観光プランも大きく変わってきます。
エリア別・滞在時間の目安
- 中心エリアの「東塔」のみ:約1.5〜2時間
- 「東塔」と「西塔」を巡る:約3〜4時間
- 3エリア全て(東塔・西塔・横川)を巡る:最低でも半日(5〜6時間)以上
初めて訪れる方や、時間があまりない方は、まず延暦寺の中心である東塔エリアに絞って観光するのがおすすめです。国宝の根本中堂など、見どころが集中しています。
もし時間に余裕があれば、静かで落ち着いた雰囲気の西塔エリアまで足を延ばしてみると、より深く延暦寺の魅力を感じられると思います。3つのエリアは山内シャトルバスで結ばれているので、効率よく移動できますよ。
全てのエリアをじっくり見て回りたいという方は、一日がかりの計画を立てるのが良いでしょう。山内には食事処や宿坊もあるので、時間を気にせずゆっくりと過ごすのも素敵な体験になりそうですね。
比叡山延暦寺の世界遺産としての価値
比叡山延暦寺は、1994年にユネスコ世界文化遺産「古都京都の文化財」の一つとして登録されました。
ここで少し注意したいのが、延暦寺が単独で世界遺産になったわけではない、という点です。京都にある清水寺や金閣寺などと一緒に、17の構成資産の一つとして登録されているんですね。これは、延暦寺が平安京の鬼門を守り、都の安寧に深く関わってきた歴史的な背景が評価されたからです。
また、延暦寺は日本仏教の母山とも呼ばれています。法然(浄土宗)、親鸞(浄土真宗)、栄西(臨済宗)、道元(曹洞宗)、日蓮(日蓮宗)といった、鎌倉新仏教の宗祖たちがここで修行を積んだことから、日本仏教史において非常に重要な場所とされています。世界遺産としての価値は、単に古い建物が残っているということだけでなく、こうした歴史的・文化的な重要性にあるんですね。
車での参拝に便利な駐車場と料金情報
比叡山延暦寺へは、車でのアクセスも非常に便利です。比叡山ドライブウェイや奥比叡ドライブウェイを利用すれば、各エリアのすぐ近くまで行くことができます。
駐車場は、東塔・西塔・横川の各エリアと、比叡山頂に完備されています。嬉しいことに、駐車料金はドライブウェイの通行料金に含まれているため、追加で支払う必要はありません。
主な駐車場と収容台数(目安)
- 東塔駐車場:約280台
- 西塔駐車場:約40台
- 横川駐車場:約120台
- 山頂駐車場:約240台
ただし、ドライブウェイの通行料金は少し高めなので注意が必要です。ルートによって料金が異なるため、事前に公式サイトで確認しておくことをおすすめします。
特に紅葉シーズンなどの繁忙期は、駐車場が混雑することもあります。時間に余裕を持った計画を立てましょう。また、冬期は路面が凍結する恐れがあるため、冬用タイヤなどの備えを忘れずに行ってくださいね。
通行料金や営業時間は変更される場合があります。お出かけの際は、必ず比叡山ドライブウェイ・奥比叡ドライブウェイの公式サイトで最新の情報をご確認ください。
「比叡山延暦寺は何県」か分かった後の観光ガイド

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比叡山延暦寺の場所についての謎が解けたところで、次は実際に訪れた際に役立つ観光情報をご紹介します。広大な境内を効率よく、そして深く楽しむためのポイントを押さえておきましょう!
必ず訪れたい三塔の見どころをエリア別に紹介
延暦寺の境内は、大きく分けて「東塔(とうどう)」「西塔(さいとう)」「横川(よかわ)」の3つのエリアで構成されています。それぞれに特徴があり、雰囲気が異なるので、ぜひ時間をかけて巡ってみてください。
東塔(とうどう):延暦寺発祥の中心地
伝教大師最澄が延暦寺を開いた場所で、まさしく延暦寺の中心エリアです。総本堂である国宝・根本中堂(こんぽんちゅうどう)をはじめ、重要文化財の大講堂や阿弥陀堂、先祖供養の中心道場である萬拝堂(まんぱいどう)など、重要な建物が集中しています。初めて訪れる方は、まずこの東塔エリアから参拝するのがおすすめです。
西塔(さいとう):静寂に包まれた修行の場
東塔から北へ1kmほど離れた場所にある、静かで落ち着いた雰囲気のエリアです。本堂にあたる釈迦堂(しゃかどう)は、現存する延暦寺の建物の中で最も古いとされています。美しい苔の庭や、弁慶が担いだとされる「にない堂」など、緑に囲まれた中で心を落ち着けて参拝できるのが魅力ですね。
横川(よかわ):おみくじ発祥の地
西塔からさらに北へ4kmほど離れた場所にあるエリアです。中心となるのは、鮮やかな朱色が美しい横川中堂(よかわちゅうどう)。船が浮かんでいるような独特の舞台造りが特徴的です。また、角大師(つのだいし)の住居跡と伝わる元三大師堂(がんさんだいしどう)は、「おみくじ発祥の地」としても知られています。ここで運試しをしてみるのも良い記念になりますよ。
国宝根本中堂と1200年続く不滅の法灯
比叡山延暦寺を訪れたら、絶対に外せないのが東塔エリアにある国宝・根本中堂です。
ここは延暦寺の総本堂であり、ご本尊である薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)が祀られています。建物の内部は、外陣・中陣・内陣に分かれており、参拝者が歩く床とご本尊が祀られる内陣の床が同じ高さになる「土間」の構造になっているのが大きな特徴です。
そして、この根本中堂で最も注目すべきは、ご本尊の前に灯る「不滅の法灯(ふめつのほうとう)」です。
この法灯は、伝教大師最澄が延暦寺を開いた際に灯して以来、一度も消えることなく1200年以上も輝き続けていると言われています。油を絶やさぬよう、僧侶たちが毎日欠かさず油を注ぎ足し、その光を守り続けているそうです。
一度は消えた法灯?
実は、1571年の織田信長による比叡山焼き討ちの際に、法灯は一度消えてしまいました。しかし、幸いなことに山形県の立石寺(りっしゃくじ)に分灯されていたため、そこから再び火を譲り受け、現在まで灯し続けることができているのです。歴史の奇跡を感じますね。
静かな堂内で、かすかに揺らめく法灯の光を見つめていると、1200年という時の流れと、その光を守り続けてきた人々の祈りの重みを感じ、心が洗われるような気持ちになりますよ。
※注意:根本中堂は2016年から約10年をかけた大改修工事中です。参拝は可能ですが、建物が覆われていたり、一部拝観ルートが変更になっている場合があります。
巡拝にかかる拝観料と受付時間について
比叡山延暦寺を巡拝するには、拝観料が必要です。3つのエリア(東塔・西塔・横川)を全て巡ることができる共通券になっています。
| 区分 | 個人 | 団体(20名以上) |
|---|---|---|
| 大人 | 1,000円 | 800円 |
| 中・高校生 | 600円 | 450円 |
| 小学生 | 300円 | - |
この巡拝料に加えて、国宝殿(宝物館)に入る場合は別途入館料が必要になります。
- 国宝殿 拝観料:大人 500円 / 中・高生 300円 / 小学生 100円
受付時間(拝観時間)は季節によって変動するので注意が必要です。
拝観時間の目安
- 東塔地区
- 3月~11月: 8:30~16:30
- 12月: 9:00~16:00
- 1月~2月: 9:00~16:30
- 西塔・横川地区
- 3月~11月: 9:00~16:00
- 12月: 9:30~15:30
- 1月~2月: 9:30~16:00
上記はあくまで目安です。料金や時間は変更される可能性がありますので、参拝前に必ず比叡山延暦寺の公式サイトで最新情報をご確認ください。
いただける御朱印の種類と授与場所一覧
比叡山延暦寺では、各エリアのお堂で様々な御朱印をいただくことができます。参拝の証として、また旅の記念として集めてみてはいかがでしょうか。
御朱印をいただく際は、それぞれのお堂をきちんと参拝してから授与所に向かうのがマナーですね。代表的な御朱印と授与場所は以下の通りです。
- 東塔エリア
- 根本中堂:「薬師如来」
- 大講堂:「大講堂」
- 萬拝堂:「大黒天」
- 大黒堂:「大黒天」
- 文殊楼:「文殊菩薩」
- 阿弥陀堂:「阿弥陀如来」
- 西塔エリア
- にない堂(常行堂・法華堂):「常行堂」「法華堂」
- 釈迦堂:「釈迦如来」
- 横川エリア
- 横川中堂:「聖観音」
- 元三大師堂:「元三大師」
この他にも期間限定の御朱印などが授与されることもあります。種類が非常に多いので、全て集めたい方は専用の御朱印帳を用意していくのがおすすめです。延暦寺オリジナルの御朱印帳も販売されていますよ。
初めてでも安心!よくある質問と回答
初めて比叡山延暦寺を訪れる際に、気になる疑問をQ&A形式でまとめてみました。
- Q.服装はどんなものがいいですか?
- A.境内は広く、坂道や石段が多いので、スニーカーなど歩きやすい靴は必須です。また、山の上は平地よりも気温が低いことが多いので、夏でも羽織るものを一枚持っていくと安心です。特に秋冬はしっかりとした防寒対策をおすすめします。
- Q.食事をする場所はありますか?
- A.はい、あります。東塔エリアにある「延暦寺会館」では、琵琶湖を眺めながら精進料理やそばなどをいただけます。また、比叡山頂やドライブウェイの途中にもレストランやカフェがありますので、食事の心配はいりません。
- Q.御朱印は書き置きですか?直書きですか?
- A.お堂や時期によって対応が異なります。直書きでいただけるところもあれば、書き置き(紙で渡されるタイプ)のみの場合もあります。授与所で確認してみてください。
- Q.ペットを連れて行くことはできますか?
- A.残念ながら、境内(有料区域内)へのペットの同伴は禁止されています。ただし、盲導犬、介助犬、聴導犬は同伴可能です。
まとめ:比叡山延暦寺は何県かの答えと魅力の再発見
今回は、「比叡山延暦寺は何県?」という素朴な疑問から、そのアクセス方法、見どころ、観光情報までを詳しくご紹介しました。
この記事のまとめ
- 比叡山延暦寺の正式な住所は滋賀県大津市。ただし、境内は京都府京都市にもまたがっている。
- アクセスは、京都側(ケーブル・ロープウェイ)と滋賀側(日本一長い坂本ケーブル)の2ルートがメイン。
- 観光の所要時間は、中心の東塔エリアだけでも最低2時間、全エリアを巡るなら半日以上を見ておくのがおすすめ。
- 1200年以上続く「不滅の法灯」が灯る国宝・根本中堂は必見。
- 車でのアクセスも便利で、駐車場はドライブウェイ通行料に含まれている。
県境にまたがるというミステリアスな立地もさることながら、その歴史の深さとスケールの大きさは、訪れる人々を圧倒します。日本仏教の母山として、数々の歴史の舞台となってきた比叡山。その荘厳な空気を感じに、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。きっと心に残る素晴らしい体験ができると思います。