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ベネチアが沈むのは何年後?水没の噂と対策を解説

ベネチアが沈むのは何年後?水没の噂と対策を解説

イメージ画像:旅行宿泊探訪記 作成

こんにちは。旅行宿泊探訪記、運営者の「TrekTide」です。

「水の都」として知られる美しいベネチア。その街が水没の危機にあると聞き、「ベネチアは本当に沈むの?」「何年後にはなくなってしまうんだろう?」と心配になっている方も多いのではないでしょうか。旅行を計画しているなら、なおさら気になりますよね。ベネチアが沈むという話は嘘なのか、それとも地盤沈下や地球温暖化の影響でいつか本当に水没してしまうのか、そして現地ではどのような対策が取られているのか、真実を知りたいという気持ちは私もよく分かります。

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この記事では、なぜベネチアが沈むと言われているのか、その科学的な根拠から、未来を守るための壮大なプロジェクト、そして今後の旅行への影響まで、気になるポイントを一つひとつ分かりやすく解説していきます。

この記事でわかること

  • ベネチアが沈むと言われる2つの主な原因
  • 水没を防ぐための国家的な対策プロジェクト
  • 高潮「アクアアルタ」の現状と被害
  • 今後のベネチア旅行で注意すべきポイント

ベネチアは沈む?何年後かの予測と2つの原因

## ベネチアは沈む?何年後かの予測と2つの原因

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「ベネチアが沈む」という話は、単なる噂や大げさな話ではなく、実際に科学的な根拠に基づいています。しかし、明日や明後日にすぐ街がなくなるというわけではありません。ここでは、なぜベネチアが危機に瀕しているのか、その背景にある大きな2つの原因を詳しく見ていきましょう。

ベネチアが沈むと言われる本当の理由

ベネチアが沈むと言われる理由は、単一のものではありません。「地盤そのものが沈んでいる」ことと、「海の水位が上がっている」こと、この2つの現象が同時に進行していることに、根本的な問題があります。まるで、ゆっくりと沈んでいくお皿に、少しずつ水が注がれているような状態をイメージすると分かりやすいかもしれません。このダブルパンチが、「水の都」の未来に影を落としているんですね。

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原因①:止まらないベネチアの地盤沈下

まず1つ目の原因は、地盤沈下です。ベネチアの街は、潟(ラグーナ)の上に、木の杭を何本も打ち込んで、その上に築かれました。もともと軟弱な地盤であることに加え、20世紀に入って工業化が進むと、周辺の工業地帯で工業用水として地下水が大量に汲み上げられました。その結果、地盤が急速に沈下してしまったんです。

1970年代に地下水の汲み上げが規制されてからは、急激な地盤沈下は収まりました。しかし、今でも年間1〜2ミリという非常にゆっくりとしたペースで自然な圧密沈下が続いていると言われています。たった数ミリと感じるかもしれませんが、これが何十年、何百年と続けば、その影響は決して無視できません。

豆知識:ベネチアの土台

ベネチアの建物の下には、今でも数百万本もの木の杭が打ち込まれているそうです。泥の中で酸素に触れないため、木材が腐らずに化石化し、強固な土台となっているんだとか。先人の知恵には本当に驚かされますね。

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原因②:温暖化によるベネチアの海面上昇

そして2つ目の原因が、私たちにとっても身近な問題である地球温暖化による海面上昇です。これはベネチアだけの問題ではなく、世界的な課題ですね。温暖化によって氷河や氷床が溶け出し、海水が膨張することで、世界中の海面が上昇しています。

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告によると、今後も海面上昇は続くと予測されています。ベネチアは海抜が非常に低い都市なので、たとえ数センチの海面上昇であっても、高潮などの被害を深刻化させる大きな要因となってしまうんです。

予測データについて

海面上昇の予測値には、今後の温室効果ガス排出量などによっていくつかのシナリオがあります。この記事で紹介する数値はあくまで予測の一つであり、最新の情報や詳細については、専門機関の公式発表をご確認ください。

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アクアアルタとは?高潮がもたらす被害

ベネチアの「沈む」問題を語る上で欠かせないのが、「アクア・アルタ(Acqua Alta)」という現象です。これはイタリア語で「高い水」を意味し、主に秋から冬にかけて発生する高潮のこと。アフリカから吹く南風(シロッコ)や気圧の低下、満潮が重なることで、アドリア海の海水がベネチアの潟に流れ込み、街の水位が異常に上昇します。

アクア・アルタが発生すると、世界で最も美しい広場とも言われるサン・マルコ広場が水浸しになり、観光客や市民は仮設の簡易な橋を渡って移動することになります。近年、地盤沈下と海面上昇の影響で、アクア・アルタの発生頻度は増加傾向にあります。昔は特別な現象でしたが、今では日常的な風景になりつつあるのが現状です。これは、お店の浸水被害や建物の劣化など、市民生活にも深刻な影響を与えています。

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ベネチア水没は嘘?科学的根拠を解説

「ベネチアが沈むなんて話は、観光客を呼ぶための大げさな嘘だ」という声も時々耳にします。確かに、すぐに街全体が海に沈んでしまうわけではありません。しかし、これまで見てきたように、地盤沈下海面上昇という2つの科学的な根拠に基づいた脅威が、実際に存在するのは紛れもない事実です。

特に深刻なのは、異常潮位の頻発化です。街が水に浸かる時間が増えれば増えるほど、歴史的な建造物に使われているレンガや大理石は塩分によって少しずつ侵食され、劣化が進んでしまいます。つまり、「水没」という言葉がイメージさせるような劇的な終わり方ではなく、徐々に街が蝕まれていく静かな危機が進行している、と考えるのが正確かもしれませんね。

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ベネチアが沈むのは何年後?未来を守る対策

## ベネチアが沈むのは何年後?未来を守る対策

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危機的な状況にあるベネチアですが、もちろんイタリア政府も手をこまねいているわけではありません。この美しい水の都を未来に残すため、国家的な巨大プロジェクトが進行中です。ここでは、ベネチアを守るための具体的な対策と、私たちが旅行する上での影響について見ていきましょう。

ベネチアが沈むことへの具体的な対策とは

ベネチアを守るための対策は、長年にわたって議論されてきました。単に堤防を高くするだけでは、潟の生態系や景観を損なってしまうため、非常に難しい問題でした。そこで考え出されたのが、高潮の時だけ海からの水の流入を防ぐ、可動式の巨大な水門を建設するという壮大な計画です。

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切り札「ベネチアのモーゼプロジェクト」

その切り札こそが、「モーゼ・プロジェクト(MOSE)」です。旧約聖書で、海を割って道を拓いた預言者モーゼにちなんで名付けられました。このプロジェクトは、ベネチアの潟の入り口となっている3つの水路の海底に、78基の巨大な可動式ゲートを設置するというもの。

普段は海底に格納されていますが、潮位が110cmを超えると予測されると、ゲート内に圧縮空気が送り込まれて浮上し、潟をアドリア海から一時的に遮断する仕組みです。これにより、アクア・アルタによる市内の浸水を防ぎます。

モーゼ・プロジェクトのポイント

  • 2003年に着工し、長い年月と巨額の費用が投じられました。
  • 2020年から試験的に稼働を開始し、すでに何度もベネチアを深刻な高潮から守っています。
  • 生態系への影響や維持費など、まだ課題も残されていますが、ベネチアの未来にとって大きな希望であることは間違いありません。

このモーゼのおかげで、以前よりも深刻なアクア・アルタの被害は格段に減りました。私が以前訪れた時も、高潮警報が出ていましたが、モーゼが作動したおかげでサン・マルコ広場も浸水せず、安心して観光を楽しむことができました。

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水没だけじゃないベネチアの観光問題

ベネチアが抱える問題は、水没の危機だけではありません。もう一つの深刻な問題が「オーバーツーリズム(観光公害)」です。世界中からあまりにも多くの観光客が押し寄せることで、市民生活が圧迫されたり、ごみ問題やインフラの混雑が深刻化したりしています。

この問題に対応するため、ベネチアでは2024年から特定の日程で、日帰り観光客を対象とした入島税(アクセス料)の試験導入が始まりました。これは、混雑を緩和し、持続可能な観光を目指すための取り組みです。今後ベネチアへ旅行を計画する際は、こうした新しいルールも事前にチェックしておく必要がありますね。

ベネチアへの旅行を計画する方へ

入島税の対象日や予約方法、支払い方法などは変更される可能性があります。旅行を計画する際は、必ずベネチア市の公式サイトなどで最新の情報を確認するようにしてください。

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ベネチアが沈むのはいつ?旅行への影響

さて、一番気になる「結局、ベネチアが沈むのは何年後なのか?」という問いですが、これに「あと〇〇年です」と明確に答えることは誰にもできません。モーゼ・プロジェクトのような対策の効果や、今後の地球温暖化の進行速度といった不確定な要素が多いためです。

しかし、科学者の中には、最悪のシナリオでは「2100年までにベネチアの大部分が日常的に浸水する可能性がある」と警鐘を鳴らす人もいます。もちろん、これは対策がうまく機能しなかった場合の話です。モーゼ・プロジェクトが効果を発揮し続ける限り、壊滅的な事態は避けられる可能性が高いと考えられています。

旅行への直接的な影響としては、「いつか行けなくなるかもしれない」という漠然とした不安よりも、アクア・アルタのシーズン(主に10月~3月頃)に旅行する際の注意や、オーバーツーリズム対策による入島税などを意識する必要がある、と言えるでしょう。

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今のうちに観光!旅行の注意点と準備

「いつか行けなくなる前に、この美しい街を見ておきたい!」そう考えるのは自然なことだと思います。ベネチア旅行を最大限に楽しむために、いくつか注意点と準備しておきたいことをお伝えします。

ベストシーズンと服装

比較的気候が穏やかで、アクア・アルタのリスクも低い4月~6月頃の春や、9月~10月頃の秋が観光のベストシーズンかなと思います。夏は非常に暑く、観光客も最も多い時期なので、人混みが苦手な方は避けた方が無難かもしれません。冬に訪れる場合は、防寒対策はもちろん、アクア・アルタに備えて防水性の高い靴があると安心です。

アクア・アルタへの備え

もしアクア・アルタのシーズンに旅行するなら、ベネチア市が提供している潮位予測アプリなどをスマートフォンに入れておくと便利です。警報が出た場合でも、モーゼが作動すれば中心部は浸水しないことが多いですが、念のため使い捨てのビニール製長靴カバーのようなものを現地で購入したり、予定を柔軟に変更できるようにしておくと良いでしょう。

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まとめ:ベネチアが沈むのは何年後になるか

この記事では、ベネチアが沈むと言われる原因と、その未来を守るための対策について詳しく見てきました。

「ベネチアが何年後に沈むか」という問いへの明確な答えはありません。しかし、地盤沈下と海面上昇という脅威が実在すること、そしてそれに対抗するためのモーゼ・プロジェクトという大きな希望があることは事実です。この壮大なプロジェクトによって、少なくとも今後100年は街が守られるという専門家もいます。

ただ、根本的な原因である地球温暖化が解決しない限り、問題が先送りされているだけ、という見方もできます。私たちにできることは、この美しい水の都が抱える問題に関心を持ち、旅行者として訪れる際には、環境や市民生活に配慮した行動を心がけることかもしれませんね。

不確実な未来を心配しすぎるよりも、対策が機能している今、この唯一無二の街の美しさを体験しに行く。それも一つの素敵な選択肢ではないでしょうか。ぜひ、万全の準備をして、記憶に残るベネチア旅行を楽しんでくださいね。

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