
イメージ画像:旅行宿泊探訪記 作成
こんにちは。旅行宿泊探訪記、運営者の「TrekTide」です。
長野が誇る名刹、善光寺。その中でも特に有名なのが「お戒壇巡り」ですね。でも、善光寺のお戒壇巡りについて調べると、怖いという言葉が必ずと言っていいほど出てきます。一体どんな仕組みになっていて、怖い理由は何なのか、もし噂されるような心霊現象があったらどうしよう、と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。また、真っ暗闇の中を進む距離や、もし極楽の錠前が見つけられない場合にご利益はないのか、子供と一緒でも大丈夫なのか、たくさんの疑問が湧いてくると思います。この記事では、そんな善光寺のお戒壇巡りに関する様々な不安や疑問を解消し、その先にある素晴らしいご利益について、私の体験も交えながら詳しく解説していきます。
(善光寺)関連
この記事でわかること
- お戒壇巡りが「怖い」と言われる本当の理由
- 暗闇で探す「極楽の錠前」の絶大なご利益
- 錠前が見つけられない場合の意味と心の持ちよう
- 子供連れや暗所が苦手な方のための注意点
善光寺のお戒壇巡りが怖いと言われる理由を徹底解説

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まずは、多くの人が「怖い」と感じるお戒壇巡りの核心に迫っていきましょう。その怖さの正体、噂の真相、そして仏教的な意味を知ることで、ただ怖いだけではない、奥深い体験であることが見えてくるはずです。
お戒壇巡りが怖いのはなぜ?体験談で知る漆黒の闇
お戒壇巡りが怖いと言われる最大の理由は、「完全な暗闇」にあります。これは比喩表現ではなく、本当に一寸先も見えない漆黒の闇なんです。
私も実際に体験しましたが、通路に入った瞬間、すべての光が遮断されます。自分の手さえも見えず、前後左右の感覚が曖昧になっていくような不思議な感覚に陥りました。頼りになるのは、右側の壁だけ。その壁に手をついて、そろりそろりと進んでいくしかありません。
前の人がいるはずなのに、その気配すら感じられないほどの静寂と暗闇。聴覚だけがやけに研ぎ澄まされて、自分の衣擦れの音や心臓の鼓動が大きく聞こえてきます。この視覚情報が完全にゼロになるという非日常的な体験が、本能的な恐怖心を呼び起こすんですね。これが「怖い」と言われる一番の理由かなと思います。
心霊現象は嘘?怖さの正体を解説します
「お戒壇巡りで白い手が見えた」「誰かの声が聞こえた」といった、心霊現象のような噂を耳にすることがあります。これが怖さに拍車をかけている部分もありますよね。
でも、安心してください。善光寺のお戒壇巡りは心霊スポットではありません。ご本尊様の胎内を巡る、極めて神聖な修行の場です。
では、なぜこのような噂が立つのでしょうか。これにはいくつかの理由が考えられます。
- 脳の錯覚(ガンツフェルト効果): 完全な暗闇や単調な刺激の中にいると、脳が情報を補おうとして、存在しない光や映像(幻覚)を見せてしまうことがあります。
- 音の反響: 静かな暗闇の中では、他の参拝者が出した小さな音(咳払いや衣擦れなど)が壁に反響し、予期せぬ方向から聞こえてくることがあります。
- 心理的な影響: 「怖い場所だ」という先入観が、ささいな物事を心霊現象と結びつけてしまうこともあります。
怖さの正体は、霊的なものではなく、人間の感覚や心理が特殊な環境下で引き起こすものである可能性が非常に高いと言えるでしょう。このことを知っておくだけでも、少し心構えが変わりますね。
お戒壇巡りの距離と気になる所要時間
「あの暗闇は一体どこまで続くの?」と不安になりますよね。具体的な距離と時間を知っておくと、心の準備がしやすいかもしれません。
お戒壇巡りの概要
- 距離: 約45メートル
- 所要時間: 一般的には5分~10分程度
数値だけ見ると「意外と短いな」と感じるかもしれません。しかし、一歩一歩、壁を頼りに進むため、体感時間はもっと長く感じる方が多いようです。私も「まだ出口じゃないのかな?」と何度も思いました。
特に、ゴールデンウィークやお盆、御開帳の時期などの混雑時は、前が進まずに通路の途中で待機することもあります。その場合は、所要時間がもう少し長くなる可能性も考えておくと良いでしょう。
暗闇で探す「極楽の錠前」のすごいご利益
この怖い暗闇の中を進んでいくのには、明確な目的があります。それが、「極楽の錠前」を探し当てることです。
この錠前は、お戒壇巡りの通路のちょうど中間あたり、右側の壁の腰くらいの高さに設置されています。そして、この錠前は、真上にある瑠璃壇(るりだん)にお祀りされている絶対秘仏の御本尊「一光三尊阿弥陀如来(いっこうさんそんあみだにょらい)」様と繋がっていると言われています。
暗闇の中でこの錠前に触れることができれば、ご本尊様とご縁が結ばれ、来世には極楽浄土へ行けるという約束をいただける、という絶大なご利益があるとされています。このご利益を求めて、多くの人々が暗闇の中を手探りで進んでいくのです。
錠前が見つけられないとご利益はないの?
「もし錠前が見つけられなかったらどうしよう…」これは、お戒壇巡りに挑戦する誰もが抱く不安だと思います。真っ暗闇の中ですから、うっかり通り過ぎてしまうことも十分に考えられますよね。
でも、心配はいりません。たとえ錠前に触れられなくても、ご利益がなくなるわけではありません。
お戒壇巡りという行為そのものが、ご本尊様の胎内を巡るという大変ありがたい修行です。暗闇の通路を歩き、無事に生まれ変わって出てくること自体に、大きな意味とご利益があるのです。
もちろん、錠前に触れることを目指して進むのが一番ですが、それに固執しすぎて焦る必要はありません。「見つけられたら幸運」くらいの気持ちで、ご本尊様とのご縁を感じながら、一歩一歩進むことが何よりも大切ですね。
仏教的な意味を知れば怖くない?胎内巡りとは
お戒壇巡りの怖さを和らげるもう一つの方法は、その仏教的な意味を理解することです。実は、このお戒壇巡りは「胎内巡り(たいないめぐり)」とも呼ばれています。
暗く何も見えない通路は、仏様の胎内(お腹の中)を象徴しています。そこを通り抜けることは、一度死んで母の胎内に戻り、そして再び生まれ変わることを意味しているのです。
この修行を通して、私たちはこれまでの罪や穢れ(けがれ)を洗い清め、清らかな新しい自分として生まれ変わることができる、とされています。
単なる暗闇体験ではなく、「仏様の胎内を通って生まれ変わるための神聖な儀式」と捉えると、恐怖心も少し和らぎ、むしろありがたく神聖な気持ちで臨めるのではないでしょうか。
善光寺のお戒壇巡りが怖い人必見!ご利益と注意点

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怖さの正体や意味がわかったところで、次は実践編です。実際にお戒壇巡りに挑戦するための具体的な参拝方法や、気になる注意点などをまとめました。これを読めば、準備は万全です!
お戒壇巡りの参拝方法と料金について
お戒壇巡りは、善光寺のどこで、どのように体験できるのでしょうか。基本的な情報を押さえておきましょう。
まず、お戒壇巡りができるのは善光寺の本堂の中です。参拝するには、お戒壇巡り、内陣(ないじん)、資料館がセットになった共通の拝観券(お守りの形をしています)を購入する必要があります。
拝観料金(内陣・お戒壇巡り・善光寺史料館共通券)
| 区分 | 個人 | 団体(20名以上) |
| 一般・大学生 | 600円 | 550円 |
| 高校生 | 200円 | 180円 |
| 小・中学生 | 50円 | 40円 |
| 未就学児 | 無料 | 無料 |
※上記は一般的な料金です。最新の情報や拝観時間については、必ず善光寺の公式サイトをご確認ください。
券売所で拝観券を購入したら、本堂の中へ進みます。靴を脱いで内陣に入り、順路に沿って進むと、お戒壇巡りの入り口へと続く階段があります。そこから先が、漆黒の闇の世界です。
閉所恐怖症や子供連れでも大丈夫?
完全な暗闇で、狭い通路を進むお戒壇巡り。閉所や暗所が苦手な方、小さなお子様連れの方は特に心配ですよね。
注意が必要なケース
閉所・暗所恐怖症の方
お戒壇巡りの通路は、人が一人やっと通れるくらいの幅で、天井も決して高くありません。強い恐怖を感じる方は、無理をしない方が賢明です。一度入ると、基本的に途中で引き返すための出口はありません。
小さなお子様連れの方
子供の性格によっては、暗闇を極端に怖がってしまう可能性があります。泣き出してしまうと、パニックになることも考えられます。挑戦する場合は、必ず保護者の方が手をつなぎ、「大丈夫だよ」と声をかけながらゆっくり進んであげてください。
いずれの場合も、ご自身の体調や精神状態、お子様の様子をよく見て判断することが大切です。「せっかく来たから」と無理は禁物です。
Q&Aで解決!よくある疑問をまとめました
ここでは、お戒壇巡りに関する細かな疑問点をQ&A形式で解消していきます。
Q1. 中で声を出してもいい?
A1. 私語は慎むのがマナーです。
お戒壇巡りは神聖な修行の場です。大声で話したり、騒いだりするのはやめましょう。静寂の中で、自分自身と向き合う時間として大切にしてくださいね。
Q2. スマートフォンのライトを使ってもいい?
A2. 絶対に使用してはいけません。
ライトをつけてしまうと、暗闇を体験するという修行の意味が全くなくなってしまいます。また、他の参拝者の迷惑にもなります。スマートフォンの電源は切るか、マナーモードにしてカバンの中にしまっておきましょう。
Q3. 途中で怖くなったらどうすればいい?
A3. まずは落ち着いて、壁を伝いゆっくり進みましょう。
前述の通り、基本的には一方通行です。パニックにならず、まずは深呼吸をしてください。右側の壁にしっかりと手をつけば、必ず出口にたどり着けます。前の人の気配を感じながら、ゆっくりと進むのがポイントです。
準備は万全?服装や持ち物のポイント
お戒壇巡りをよりスムーズに体験するために、服装や持ち物にも少し気を配ると良いでしょう。
- 服装: 本堂内は土足厳禁です。脱ぎ履きしやすい靴で行くのがおすすめです。また、階段の上り下りがあるので、動きやすい服装がベターです。
- 持ち物: リュックや大きなカバンは、事前にコインロッカーなどに預けておくことを強くおすすめします。通路が狭いため、荷物が壁にぶつかってしまいます。両手を自由に使えるように、手には何も持たない状態で臨むのが理想です。
特に、右手を壁に伝えることが非常に重要なので、右手は必ず空けておきましょう。
善光寺のお戒壇巡りは怖さを越える価値あり
ここまで、善光寺のお戒壇巡りが怖いと言われる理由から、その先にあるご利益、そして具体的な注意点まで解説してきました。
確かに、完全な暗闇を体験するのは少し勇気がいることかもしれません。しかし、その仏教的な意味を知り、しっかりと準備をして臨めば、その怖さはきっと神聖な気持ちへと変わっていくはずです。
視覚以外の感覚が研ぎ澄まされ、自分自身と静かに対峙する貴重な時間。そして、無事に出口の光が見えた時の安堵感と達成感は、体験した人にしかわからない格別なものです。
この記事を読んで少しでも不安が解消されたなら、ぜひ善光寺に足を運び、怖さを乗り越えた先にある素晴らしい体験とご利益を実感してみてはいかがでしょうか。