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一度は行きたい日本の名湯30選:専門家が選ぶ究極の温泉ランキング

序章:日本温泉文化への誘い

日本列島は、その地質学的特性から世界有数の温泉大国として知られている。しかし、日本人にとって温泉とは単なる温浴施設ではない。それは心身を癒す「湯治」の場であり、神仏への信仰と結びついた浄化の空間であり、そして地域社会の絆を育むコミュニティの中心でもあった [1]。湯けむりの向こうには、その土地の自然、歴史、そして人々の暮らしが凝縮された、奥深い文化が広がっている。

温泉の魅力は、その湯そのものにあることは言うまでもない。例えば、古くから傷や病を癒すために長期滞在する湯治文化が根付く温泉地では、その効能豊かな泉質が何よりも重要視される [3]。一方で、雪景色を眺めながら浸かる「雪見露天」のように、四季折々の自然と一体となる体験もまた、温泉の醍醐味である [3]。温泉地が神社の近くに開かれた例も多く、温泉に入ること自体が心身を清める行為と見なされてきた歴史もある [8]

本稿で提示するランキングは、こうした多面的な温泉の価値を総合的に評価し、真に「一度は行きたい」と思える名湯を30カ所厳選したものである。その選定にあたっては、単一の指標に頼るのではなく、複数の視点を組み合わせた独自の評価軸を採用した。

  1. 人気(Popularity): 旅行予約サイトの宿泊実績や、「もう一度行ってみたい」というリピーターの投票数に基づき、多くの人々を惹きつける普遍的な魅力を評価する [1]
  2. 憧れ(Aspiration): 「まだ行ったことはないが、一度は行ってみたい」という投票結果を重視し、旅人の心を捉えて離さない、物語性や唯一無二の雰囲気を持つ温泉地を選出する [11]
  3. 満足度(Satisfaction): 実際に訪れた人々の満足度スコアを分析し、たとえ規模は小さくとも、質の高い本物の体験を提供している温泉地を評価する [11]
  4. 専門家の評価(Expert Endorsement): 旅行業界のプロフェッショナルが選ぶ「にっぽんの温泉100選」などのランキングを参考に、おもてなしや食、施設の質といった専門的な観点からの評価を加味する [13]

これらの指標を分析すると、興味深い傾向が見えてくる。例えば、首都圏からのアクセスの良さと大規模な宿泊施設を背景に宿泊者数で上位に来る温泉地(例:熱海温泉 [12])が、必ずしも訪問者の「満足度」で最高評価を得るわけではない。満足度ランキングでは、むしろ手つかずの自然と100%源泉かけ流しの力強い泉質を誇る秘湯(例:高湯温泉 [11])がトップに立つことがある。これは、旅慣れた旅行者が求める「本物」の体験価値を反映している。

さらに、「憧れ」のランキングでは、その象徴的な景観によって多くの人々の想像力を掻き立てる温泉地(例:乳頭温泉郷、銀山温泉 [11])が上位を占める。雪景色の中に佇む茅葺き屋根の湯宿や、ガス灯に照らされた大正ロマンの街並みといった、強烈な視覚的イメージが「いつか必ず訪れたい場所」としての地位を確立させているのである。

このように、「人気」「満足度」「憧れ」は、それぞれ異なる価値基準を示している。本ランキングは、これら多様な魅力を総合的に勘案し、日本の温泉文化の豊かさと深さを体現する30の至宝を選び抜いたものである。このリストが、読者の皆様を次なる温泉旅へと誘う、信頼に足る水先案内人となることを願ってやまない。


本章:一度は行きたい温泉ランキング TOP 30

日本の名湯30選ランキング一覧

本編の詳細な解説に入る前に、選出された30の温泉地を一覧で紹介する。それぞれの温泉地が持つ個性をキーワードと共に示しており、日本の温泉地図を概観する一助となるだろう。

順位 温泉地名 都道府県 温泉地の特徴を象徴するキーワード
1 草津温泉 群馬県 日本三名泉、日本一の自然湧出量、湯畑と湯もみ
2 由布院温泉 大分県 アートと自然、洗練された散策の街、豊後富士
3 箱根温泉 神奈川県 首都圏の奥座敷、多様な泉質と美術館、箱根二十湯
4 道後温泉 愛媛県 日本三古湯、日本最古の物語、坊っちゃんと重要文化財
5 別府温泉郷 大分県 日本一の湧出量、別府八湯、地獄めぐり
6 黒川温泉 熊本県 統一された景観美、入湯手形、里山の秘湯
7 登別温泉 北海道 9種の泉質を誇る温泉のデパート、地獄谷
8 乳頭温泉郷 秋田県 憧れの秘湯、七湯めぐり、乳白色の湯
9 有馬温泉 兵庫県 日本三古湯、太閤秀吉の湯、金泉・銀泉
10 下呂温泉 岐阜県 日本三名泉、美人の湯、飛騨川沿いの温泉街
11 指宿温泉 鹿児島県 世界唯一の天然砂むし温泉、薩摩富士の絶景
12 城崎温泉 兵庫県 文豪が愛した街、七つの外湯めぐり、浴衣と下駄
13 銀山温泉 山形県 大正ロマンの街並み、ガス灯と雪景色
14 熱海温泉 静岡県 海と花火のリゾート、首都圏からの好アクセス
15 奥飛騨温泉郷 岐阜県 北アルプスの絶景露天風呂、5つの温泉地の総称
16 和倉温泉 石川県 海から湧く塩の湯、能登の食と文化
17 伊香保温泉 群馬県 365段の石段街、黄金の湯・白銀の湯
18 鬼怒川温泉 栃木県 関東の奥座敷、渓谷美とテーマパーク
19 玉造温泉 島根県 日本最古の美肌の湯、神話と勾玉の里
20 白浜温泉 和歌山県 日本三古湯、白砂のビーチと太平洋の絶景
21 万座温泉 群馬県 標高1,800mの天空の湯、日本一の硫黄濃度
22 蔵王温泉 山形県 強酸性の美肌の湯、冬の樹氷
23 洞爺湖温泉 北海道 湖と火山の絶景、ロングラン花火大会
24 定山渓温泉 北海道 札幌の奥座敷、渓谷美とアクティビティ
25 秋保温泉 宮城県 日本三御湯、伊達政宗が愛した湯、磊々峡
26 鳴子温泉郷 宮城県 7種の泉質を誇る湯治場、こけしの故郷
27 酸ヶ湯温泉 青森県 国民保養温泉地第1号、総ヒバ造りの千人風呂
28 野沢温泉 長野県 13の外湯めぐり、スキーと道祖神祭り
29 修善寺温泉 静岡県 伊豆の小京都、源氏ゆかりの歴史と竹林の小径
30 三朝温泉 鳥取県 世界有数のラドン泉、三たび朝を迎えれば元気に

30位 三朝温泉(鳥取県)

 

 

世界有数のラドン泉、三たび朝を迎えれば元気になる

 

温泉地の概観と魅力

鳥取県の中部に位置する三朝(みささ)温泉は、静かな山間に佇む風情豊かな温泉地である 18。その名の由来は「三たび朝を迎えれば、病が癒える」という言い伝えにあり、古くから湯治場として親しまれてきた 18。温泉街を流れる三徳川の河原には、この地のシンボルともいえる混浴露天風呂「河原風呂」があり、24時間無料で開放されている 18。

泉質と効能

三朝温泉最大の特徴は、世界屈指の高濃度ラドンを含む放射能泉であること 18。ラドンが気化して発する微量の放射線を呼吸によって体内に取り込む(ホルミシス効果)ことで、新陳代謝が活発になり、免疫力や自然治癒力を高めるとされる。この「吸う温泉」を体験できる施設「すーはー温泉」も存在する 18。また、源泉を飲む「飲泉」も可能で、体の内外から温泉の恵みを取り入れることができる。

歴史と文化

開湯は850年以上前、源義朝の家臣・大久保左馬之祐が、射損ねた白狼に導かれて発見したという伝説が残る 19。江戸時代から湯治場として栄え、昭和レトロな雰囲気を残す「泉娯楽場」など、昔ながらの温泉文化が今も息づいている 18。また、温泉街にある「木屋旅館」は、その歴史的価値から建物全体が国の登録有形文化財に指定されており、三朝温泉が観光地として発展する過渡期の建築様式を今に伝えている 20。

周辺の観光スポットとアクティビティ

三朝温泉から車で約15分の場所には、断崖絶壁に建つ国宝「三徳山三佛寺投入堂」があり、日本一危険な国宝鑑賞として知られる修行道を登る参拝は、特別な体験となる 18。この投入堂への参拝と三朝温泉での湯治を組み合わせた旅は、文化庁の「日本遺産」第一号に認定されている 20。

専門家からの視点

三朝温泉の価値は、その世界的に見ても稀有な泉質にある。単に浸かるだけでなく、「吸う」「飲む」という多角的なアプローチで温泉の力を享受できる点は、他の温泉地にはない大きな魅力だ。国宝・投入堂という精神性の高い文化遺産との結びつきも強く、心身両面からの治癒を求める知的な旅行者にこそ訪れてほしい、奥深い名湯である。

 

29位 修善寺温泉(静岡県)

 

 

伊豆の小京都、源氏ゆかりの歴史と竹林の小径

 

温泉地の概観と魅力

伊豆半島の中央に位置する修善寺温泉は、その落ち着いた雰囲気から「伊豆の小京都」と称される歴史ある温泉地だ。温泉街の中心を流れる桂川沿いには、朱塗りの橋と緑豊かな竹林が織りなす美しい風景が広がる。「竹林の小径」は特に有名で、日中は木漏れ日が心地よく、夜はライトアップされて幻想的な雰囲気に包まれる 21。

泉質と効能

泉質は弱アルカリ性単純温泉で、肌に優しく刺激が少ないのが特徴。神経痛や筋肉痛、疲労回復などに効能があるとされる。温泉街の中心、桂川の河中にある「独鈷の湯(とっこのゆ)」は、修善寺温泉発祥の湯として知られ、現在は入浴できないものの、その歴史的な存在感は大きい 21。

歴史と文化

修善寺温泉の歴史は、平安時代初期に弘法大師(空海)が開いたという伝説に始まる 23。桂川で病父の体を洗う少年の孝行心に打たれた弘法大師が、仏具の独鈷杵で岩を打ち、霊湯を湧出させたと伝えられる 22。また、この地は鎌倉幕府の源氏一族の悲劇の舞台としても知られる。2代将軍・源頼家が幽閉・暗殺され、その墓や、頼家に殉じた家臣13人の墓が静かに佇んでいる 21。温泉地の名にもなっている「修禅寺」は、頼家が幽閉された場所であり、源氏ゆかりの史跡を巡る歴史散策もこの地の大きな魅力である 23。

周辺の観光スポットとアクティビティ

温泉街には、頼家の冥福を祈って母・北条政子が建立した「指月殿」や、文豪・夏目漱石の句碑など、歴史や文学に触れるスポットが点在する 21。また、伊豆半島がユネスコ世界ジオパークに認定されており、その成り立ちを学べる「ジオリア」も訪れたい場所だ 21。

専門家からの視点

修善寺温泉は、単なる温泉地ではなく、歴史の物語が色濃く刻まれた場所である。鎌倉時代の悲劇に思いを馳せながら静かな小径を歩き、歴史ある寺社を巡る時間は、他の温泉地では味わえない知的な興奮と深い思索をもたらす。美しい景観と歴史ロマンが融合した、大人のための温泉地と言えるだろう。

 

28位 野沢温泉(長野県)

 

 

13の外湯めぐり、スキーと道祖神祭り

 

温泉地の概観と魅力

長野県の北部に位置する野沢温泉は、日本で唯一、村名に「温泉」を冠する名湯地である 24。温泉街には、江戸時代から続く木造の旅館が軒を連ね、石畳の小道からは湯けむりが立ち上る。この村の生活の中心にあるのが、村人たちが「湯仲間」という制度で共同管理してきた13の「外湯(そとゆ)」だ 24。観光客も無料で利用できるこれらの共同浴場を巡る「外湯めぐり」が、野沢温泉最大の魅力となっている。

泉質と効能

泉質は主に単純硫黄泉で、「五色の湯」とも呼ばれるほど、日によって湯の色が変化することがある 24。源泉は100%かけ流しで、湯量が豊富。温泉街の中心にある「大湯」は、江戸時代の湯屋建築を再現した美しい建物で、野沢温泉のシンボル的存在である 24。

歴史と文化

開湯は奈良時代、僧・行基による発見と伝えられる古い歴史を持つ 24。江戸時代には飯山藩主の湯治場として整備され、庶民にも開放された 25。明治時代に入ると、オーストリアからスキー文化が伝わり、日本有数のスキーリゾートとしても発展 25。1998年の長野冬季オリンピックではバイアスロン競技の会場にもなった 25。また、毎年1月15日に行われる「道祖神祭り」は、国の重要無形民俗文化財に指定されており、壮大な火祭りは多くの観光客を魅了する 25。

周辺の観光スポットとアクティビティ

冬は国内最大級の規模を誇る「野沢温泉スキー場」でのウィンタースポーツが楽しめる 24。夏は志賀高原へのハイキングの拠点ともなる。また、温泉街には作詞家・高野辰之の記念館「おぼろ月夜の館」があり、日本の唱歌の歴史に触れることもできる 25。

専門家からの視点

野沢温泉は、温泉文化とスキー文化という二つの柱が見事に融合したユニークな場所だ。村人たちの手で大切に守られてきた「外湯」は、単なる観光施設ではなく、地域コミュニティの核であり、その温かい文化に触れることができる。歴史ある温泉情緒と、世界レベルのスキーリゾートが共存する、他に類を見ない魅力的な温泉地である。

 

27位 酸ヶ湯温泉(青森県)

 

 

国民保養温泉地第1号、総ヒバ造りの千人風呂

 

温泉地の概観と魅力

八甲田連峰の主峰、大岳の麓、標高約900mの高地に位置する一軒宿の温泉 26。豪雪地帯として知られ、冬には数メートルの雪に覆われる秘湯でありながら、その名は全国に轟いている。最大の魅力は、総ヒバ造りの巨大な混浴大浴場「ヒバ千人風呂」だ 26。160畳もの広さを誇る浴室は、柱が一本もなく、湯けむりが立ち込める空間は圧巻の一言。

泉質と効能

その名の通り、強い酸性の硫黄泉が特徴。高い殺菌効果を持ち、皮膚病などに優れた効能があるとされる。ヒバ千人風呂には「熱の湯」「四分六分の湯」「鹿の湯」「冷の湯」と、源泉や温度が異なる4つの浴槽があり、湯治客は自身の体調に合わせて入浴法を使い分ける 26。

歴史と文化

開湯は1684年、傷ついた鹿が湯で傷を癒していたことから「鹿湯(しかゆ)」と名付けられたのが始まりと伝わる 5。江戸時代から湯治場として知られ、多くの文人墨客にも愛されてきた 26。1954年、その優れた泉質、豊富な湧出量、清純な環境などが評価され、全国のモデルケースとして「国民保養温泉地第1号」に指定された 5。これは、酸ヶ湯温泉が日本の温泉療養文化において特別な地位を占めていることの証である。

周辺の観光スポットとアクティビティ

周囲は十和田八幡平国立公園に指定されており、八甲田山の雄大な自然を満喫できる。春の新緑、夏の高山植物、秋の紅葉、そして冬の樹氷と、四季折々の美しい景色が広がる。特に、八甲田ロープウェーを利用すれば、手軽に山頂からの絶景を楽しむことができる。

専門家からの視点

酸ヶ湯温泉は、日本の湯治文化の真髄を体験できる場所だ。近代的なリゾートとは一線を画し、ひたすらに温泉そのものの力と向き合うための空間がここにはある。「ヒバ千人風呂」の圧倒的なスケールと歴史の重みは、訪れる者に忘れがたい記憶を刻むだろう。温泉の本質を求める旅人にとって、ここはまさに聖地と呼ぶにふさわしい。

 

26位 鳴子温泉郷(宮城県)

 

 

7種の泉質を誇る湯治場、こけしの故郷

 

温泉地の概観と魅力

宮城県北部に位置する鳴子温泉郷は、「鳴子温泉」「東鳴子温泉」「川渡温泉」「中山平温泉」「鬼首温泉」という5つの個性的な温泉地からなる広大なエリアの総称である 27。中心となる鳴子温泉は、古くから「奥州三名湯」の一つに数えられてきた名湯だ。温泉郷全体で源泉の数は370本以上と東北最大級を誇り、日本に存在する10種類の泉質のうち7種類がここに集まっている 27。

泉質と効能

鳴子温泉郷の最大の魅力は、この泉質の多様性にある。硫黄泉、塩化物泉、炭酸水素塩泉など、場所によって全く異なる湯を楽しむことができるため、「温泉のデパート」とも称される。湯の色も透明、白濁、黒、緑など様々で、湯めぐりをするだけで泉質の博物館を訪れているかのような体験ができる。この豊かな温泉資源が評価され、2016年には温泉郷全体が「国民保養温泉地」に指定された 27。

歴史と文化

その歴史は古く、837年の文献に温泉が湧出した記録が残っている 27。また、松尾芭蕉が『おくのほそ道』の旅で立ち寄ったことでも知られ、「なるこの湯」としてその名を記している 27。また、鳴子は伝統工芸品「鳴子こけし」発祥の地としても有名。首を回すと「キュッキュッ」と音が鳴るのが特徴で、温泉街には多くのこけし工房や土産物店が軒を連ね、こけしの絵付け体験なども楽しめる 27。

周辺の観光スポットとアクティビティ

周辺は栗駒国定公園の豊かな自然に囲まれており、特に「鳴子峡」は東北屈指の紅葉の名所として知られる。断崖絶壁を縫うように架かる大深沢橋と、色鮮やかな紅葉のコントラストは圧巻である。

専門家からの視点

鳴子温泉郷は、温泉愛好家にとってまさに楽園である。一つのエリアでこれほど多様な泉質を体験できる場所は全国的にも稀有であり、湯治を目的とする長期滞在にも最適だ。こけしという温かみのある伝統文化も根付いており、温泉と文化、そして雄大な自然が一体となった、東北を代表する温泉郷と言える。

 

25位 秋保温泉(宮城県)

 

 

日本三御湯、伊達政宗が愛した湯、磊々峡

 

温泉地の概観と魅力

仙台市中心部から車で約30分というアクセスの良さを誇り、「仙台の奥座敷」として親しまれている秋保温泉 29。名取川の渓谷沿いに近代的なホテルや老舗旅館が立ち並ぶ。温泉街に沿って続く峡谷「磊々(らいらい)峡」には遊歩道が整備されており、奇岩や深淵が織りなす美しい景色を眺めながら散策を楽しむことができる。

泉質と効能

泉質は主に塩化物泉で、無色透明で癖がなく、身体の芯から温まるのが特徴 29。湯冷めしにくいため、古くから「温まりの湯」として知られている。神経痛、筋肉痛、冷え性などに効能があるとされる。

歴史と文化

その歴史は非常に古く、古墳時代にまで遡る。第29代欽明天皇が皮膚病を患った際、この地の湯を取り寄せて湯浴みしたところ全快したという伝説が残っており、このことから有馬温泉、別府温泉(道後温泉説もあり)と共に「日本三御湯」の一つに数えられている 29。戦国時代には、仙台藩祖・伊達政宗もこの地を愛し、専用の御殿湯を設けて戦の疲れを癒したと伝えられている 29。

周辺の観光スポットとアクティビティ

秋保温泉周辺には見どころが多い。落差55mを誇る「秋保大滝」は日本の滝百選にも選ばれる名瀑で、その迫力は圧巻 30。また、仙台万華鏡美術館や、伝統工芸の工房が集まる「秋保工芸の里」など、文化的な施設も充実している 29。近年では、フィギュアスケートの羽生結弦選手が参拝したことで有名になった「秋保神社」も、勝負の神様として多くの参拝者を集めている 29。

専門家からの視点

秋保温泉の魅力は、皇室や伊達家にも愛された由緒ある歴史と、仙台市街地からの優れたアクセス性を両立している点にある。都市近郊にありながら、磊々峡や秋保大滝といった雄大な自然に触れることができるのも大きな強みだ。歴史、自然、文化、そして現代的な利便性がバランスよく融合した、東北を代表する温泉リゾートである。

 

24位 定山渓温泉(北海道)

 

 

札幌の奥座敷、渓谷美とアクティビティ

 

温泉地の概観と魅力

札幌市中心部から車で約1時間というアクセスの良さから「札幌の奥座敷」として知られる定山渓温泉 10。豊平川の渓谷沿いにホテルや旅館が建ち並び、四季折々の美しい景観が楽しめる。特に、温泉街を流れる渓谷にかかる「二見吊橋」からの眺めは素晴らしく、新緑や紅葉の時期には多くの観光客で賑わう 10。

泉質と効能

泉質はナトリウム-塩化物泉で、無色透明でまろやかな湯ざわりが特徴 10。塩分が肌の表面を覆い、汗の蒸発を防ぐため保温効果が高く、体の芯から温まる。湧出量も豊富で、温泉街の56カ所の源泉から毎分8,600リットルもの温泉が湧き出している 10。

歴史と文化

1866年(慶応2年)、修験僧の美泉定山(みいずみじょうざん)がアイヌの人々の案内で温泉を発見し、湯治場を築いたのが始まり 10。彼の功績を称え、この地は「定山渓」と名付けられた。温泉街には、彼の像が立つ「定山源泉公園」や、開拓時代の犠牲者を弔う「岩戸観音堂」など、歴史を伝えるスポットが点在する 10。また、「かっぱ」がマスコットキャラクターとなっており、温泉街の各所にかっぱの像が設置されているのもユニークだ 33。

周辺の観光スポットとアクティビティ

定山渓の魅力は、温泉だけでなく豊かな自然環境を活かしたアクティビティが充実していること。夏は豊平川でのカヌーやラフティング、SUP、冬はスノーシューツアーなどが楽しめる 10。また、近隣には「定山渓ファーム」などの果物狩りができる観光農園や、「ノースサファリサッポロ」といった動物園もあり、家族連れにも人気が高い。

専門家からの視点

定山渓温泉は、大都市札幌に隣接しながら、支笏洞爺国立公園の雄大な自然を満喫できるという稀有なロケーションが最大の強みだ。温泉で癒されるだけでなく、四季を通じて多彩なアウトドア・アクティビティを組み合わせた滞在が可能なため、アクティブな旅行者からの支持も厚い。都市型リゾートと自然体験型リゾートの魅力を併せ持つ、北海道を代表する温泉地である。

 

23位 洞爺湖温泉(北海道)

 

 

湖と火山の絶景、ロングラン花火大会

 

温泉地の概観と魅力

北海道を代表する景勝地、洞爺湖の南岸に広がる温泉地。日本で3番目に大きいカルデラ湖である洞爺湖と、今なお活動を続ける火山・有珠山が織りなすダイナミックな景観が最大の魅力である 34。湖畔には大型リゾートホテルが立ち並び、多くの客室や露天風呂から湖の美しい景色を望むことができる。

泉質と効能

泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物泉 34。切り傷や冷え性、皮膚乾燥症などに効能があるとされる。2000年の有珠山噴火後、温泉の効能が高まったという説もある 34。湖畔には手湯や足湯が点在し、気軽に温泉に親しむことができる。

歴史と文化

洞爺湖温泉の歴史は比較的新しく、1910年(明治43年)の有珠山の噴火活動によって誕生した 34。温泉が湧き出したのはその7年後の1917年で、その後、北海道を代表する温泉リゾートへと発展した。この地域は、火山と共に生きてきた歴史を持ち、2000年の噴火の記憶を伝える「火山科学館」や、噴火で被災した建物などを保存した遺構散策路があり、自然の脅威と防災について学ぶことができる 35。この火山活動の歴史と景観が評価され、「洞爺湖有珠山ジオパーク」として世界ジオパークに認定されている 36。

周辺の観光スポットとアクティビティ

洞爺湖温泉の代名詞ともいえるのが、毎年4月下旬から10月末まで毎夜開催される「洞爺湖ロングラン花火大会」だ。移動する船から打ち上げられる花火を、湖畔のホテルや遊覧船から楽しむことができる。また、湖畔には58基の彫刻が点在する「とうや湖ぐるっと彫刻公園」があり、アート散策も楽しめる 35。

専門家からの視点

洞爺湖温泉は、火山活動という地球のダイナミズムを間近に感じられる、世界的に見ても貴重な場所である。美しいカルデラ湖の景観と、噴火の記憶を伝えるジオパークとしての学びの要素が融合し、唯一無二の体験を提供する。夜空を彩るロングラン花火大会も加わり、エンターテイメント性に富んだ一大温泉リゾートとして高い評価を得ている。

 

22位 蔵王温泉(山形県)

 

 

強酸性の美肌の湯、冬の樹氷

 

温泉地の概観と魅力

山形県と宮城県にまたがる蔵王連峰の山形県側に位置する、標高880mの高原温泉地。冬には世界的に有名な「樹氷」が見られるスノーリゾートとして知られるが、その歴史は古く、日本有数の湯治場でもある。温泉街には昔ながらの旅館や土産物店が軒を連ね、3つの共同浴場と複数の足湯があり、湯めぐりも楽しめる。

泉質と効能

蔵王温泉の湯は、日本でも有数の強酸性の硫黄泉である。白濁した湯は硫黄の香りが強く、殺菌作用が高いことから「美肌の湯」として名高い。皮膚病や切り傷に効果があるとされ、肌を滑らかにする効果も期待できる。その泉質の良さから、古くから多くの湯治客に愛されてきた。

歴史と文化

開湯は約1900年前、日本武尊の東征の際に発見されたと伝えられる非常に古い歴史を持つ。江戸時代には蔵王権現への参詣者で賑わう湯治場として栄えた。近代に入るとスキー場が開発され、温泉とスキーが楽しめるリゾート地として発展。また、この地域は伝統的な「こけし」の産地でもあり、「みやぎ蔵王こけし館」では、東北各地のこけしの展示や絵付け体験ができる 37。

周辺の観光スポットとアクティビティ

冬の最大の魅力は、なんといっても「樹氷」である。蔵王ロープウェイに乗って山頂付近まで行くと、スノーモンスターとも呼ばれる巨大な樹氷群が広がる幻想的な景色を間近に見ることができる 38。夏は、エメラルドグリーンの火口湖「御釜(おかま)」へのトレッキングが人気。季節ごとに異なる自然の美しさを満喫できる。

専門家からの視点

蔵王温泉は、パワフルな強酸性の泉質と、樹氷という世界的に稀な自然現象という二つの強力な魅力を持つ温泉地だ。温泉そのものの力を求める温泉ファンと、唯一無二の絶景を求める観光客の双方を満足させることができる。歴史ある湯治場の風情と、ダイナミックな自然が融合した、東北を代表する名湯である。

 

21位 万座温泉(群馬県)

 

 

標高1,800mの天空の湯、日本一の硫黄濃度

 

温泉地の概観と魅力

上信越高原国立公園内、標高1,800mに位置する万座温泉は、日本で最も高所にある温泉地の一つ。そのロケーションから「天空の温泉郷」とも呼ばれる。一年を通じて気候が涼しく、夏は避暑地として、冬はパウダースノーを求めるスキーヤーで賑わう。硫黄の香りが立ち込める温泉街からは、雄大な山々の景色を望むことができ、特に夕暮れ時や星空の美しさは格別である。

泉質と効能

万座温泉の最大の特徴は、白濁した酸性硫黄泉。硫黄含有量は日本一を誇り、その濃厚な泉質から、古くから難病を治す湯治場として知られてきた。血行促進効果が高く、生活習慣病や呼吸器疾患、皮膚病などに優れた効能があるとされる。湯に浸かると、その力強い湯力を肌で感じることができる。

歴史と文化

その発見時期は定かではないほど古く、弥生時代の土器が出土していることから、先史時代から利用されていたと考えられている 39。戦国時代には武将が湯治に訪れた記録も残るが、あまりに奥深い場所であったため、長く「秘湯」とされてきた 40。昭和に入り、スキー場が開業すると共にリゾート地として発展。1987年にはスキーをテーマにした映画の舞台にもなり、若者の間で人気を博した 39。

周辺の観光スポットとアクティビティ

春から秋にかけては、草津温泉へと続く「志賀草津高原ルート」のドライブが楽しめる。道中には、エメラルドグリーンの火口湖「湯釜」や、日本国道最高地点など、絶景スポットが点在する 41。また、高山植物の宝庫でもあり、夏にはコマクサなどの可憐な花々を愛でながらのハイキングも人気だ。

専門家からの視点

万座温泉は、その圧倒的な高所からの眺望と、日本一濃厚な硫黄泉という二つの「日本一」を誇る、唯一無二の温泉地である。日常から完全に隔絶された環境で、力強い温泉と雄大な自然に身を委ねる体験は、何物にも代えがたい。温泉の本質的な治癒力を求める人々にとって、ここはまさに理想郷と言えるだろう。

 

20位 白浜温泉(和歌山県)

 

 

日本三古湯、白砂のビーチと太平洋の絶景

 

温泉地の概観と魅力

和歌山県の紀伊半島南西部に位置する白浜温泉は、有馬、道後と並ぶ「日本三古湯」の一つに数えられる歴史ある温泉地 42。その名の通り、約620mにわたって続く真っ白でサラサラな砂浜「白良浜(しららはま)」がシンボルであり、ヤシの木が並ぶ風景は南国リゾートの雰囲気を醸し出している 43。

泉質と効能

泉質は主に炭酸水素塩泉や塩化物泉で、湯量も豊富。多くの旅館やホテルが独自の源泉を持ち、多彩な湯を楽しむことができる。海に突き出た岩場にある露天風呂「崎の湯」は、太平洋の荒波を間近に感じながら入浴できる、白浜温泉を代表する外湯である 44。

歴史と文化

その歴史は非常に古く、『日本書紀』や『万葉集』にもその名が登場する。飛鳥・奈良時代には、歴代天皇がたびたび行幸した記録が残る、由緒ある温泉地だ。近代では、博物学・民俗学の巨星である南方熊楠が研究の拠点とした地でもあり、彼の功績を伝える「南方熊楠記念館」がある 45。

周辺の観光スポットとアクティビティ

白浜には温泉以外にも見どころが多い。ジャイアントパンダの飼育で世界的に有名な「アドベンチャーワールド」は、世代を問わず楽しめる一大テーマパーク 42。また、中央に海蝕による穴がぽっかりと開いた「円月島」は、夕日の名所として知られ、その美しいシルエットは白浜の象徴となっている 42。他にも、畳を敷き詰めたような広大な岩盤「千畳敷」や、高さ約60mの断崖絶壁「三段壁」など、自然が創り出したダイナミックな景勝地が点在する 44。

専門家からの視点

白浜温泉は、日本最古級の歴史を持つ名湯でありながら、明るく開放的なリゾート地としての魅力も兼ね備えている。美しいビーチ、多彩な観光スポット、そして新鮮な海の幸と、温泉旅行に求められる要素がすべて高水準で揃っている。家族旅行からカップル、グループまで、あらゆる旅行者を満足させる懐の深さを持つ、関西を代表する温泉地である。

 

19位 玉造温泉(島根県)

 

 

日本最古の美肌の湯、神話と勾玉の里

 

温泉地の概観と魅力

島根県松江市、宍道湖の南岸に位置する玉造温泉は、三方を山に囲まれた穏やかな温泉地。玉湯川沿いに格式高い和風旅館が立ち並び、落ち着いた雰囲気を醸し出している 46。温泉街には、この地の名の由来となった勾玉(まがたま)のモチーフが随所に見られ、神話の国・出雲らしい神秘的な空気が漂う。

泉質と効能

泉質は硫酸塩・塩化物泉で、古くから「美肌の湯」として名高い。奈良時代の地誌『出雲国風土記』には、「一度入浴すれば容姿が美しくなり、再び入れば万病が治る」と記されており、日本最古の美肌温泉といえる 46。科学的にも肌に潤いを与える成分が豊富であることが証明されており、温泉水を持ち帰って化粧水として使うことも推奨されている 47。

歴史と文化

開湯1300年以上の歴史を持ち、平安時代には清少納言が『枕草子』で「三名泉」の一つとしてその名を挙げている 46。古代、この地は良質な青めのうの産地であり、三種の神器の一つ「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」もここで作られたと伝えられる、勾玉作りの中心地であった。「いずもまがたまの里伝承館」では、その伝統を今に伝えており、勾玉作り体験も可能だ 9。

周辺の観光スポットとアクティビティ

温泉街の中心にある「玉作湯神社」は、触れて祈ると願いが叶うとされる「願い石」が人気のパワースポット 9。また、温泉街を流れる玉湯川には勾玉の形をした小島や橋があり、散策も楽しい 47。車で少し足を延せば、国宝「松江城」や、日本一の庭園で知られる「足立美術館」など、山陰を代表する観光地へもアクセスしやすい 48。

専門家からの視点

玉造温泉の魅力は、科学的にも裏付けられた「美肌の湯」という確固たるブランドと、出雲神話に根差した神秘的な歴史文化が融合している点にある。美を追求する女性旅行者からの支持が特に厚く、パワースポット巡りや勾玉作りといった体験型コンテンツも充実している。心身ともに美しくなれる、物語性豊かな温泉地である。

 

18位 鬼怒川温泉(栃木県)

 

 

関東の奥座敷、渓谷美とテーマパーク

 

温泉地の概観と魅力

栃木県日光市、鬼怒川の上流域に広がる鬼怒川温泉は、「箱根」と並び「東京の奥座敷」と称される関東有数の大温泉地 49。鬼怒川の渓谷沿いに大型のホテルや旅館が建ち並び、壮大な自然景観が楽しめる。首都圏からのアクセスも良く、年間を通じて多くの観光客で賑わう。

泉質と効能

泉質はアルカリ性単純温泉で、無色透明、無味無臭の肌に優しい湯。神経痛や五十肩、疲労回復などに効能があるとされ、古くから「火傷に効く」とも言われてきた。刺激が少ないため、子どもからお年寄りまで安心して入浴できる。

歴史と文化

発見は江戸時代とされ、当初は日光詣の僧侶や大名のみが入ることを許された由緒ある温泉であった。明治時代以降に一般に開放され、温泉リゾートとして発展した。温泉街には、鬼怒川と楯岩を結ぶ全長140mの「鬼怒楯岩大吊橋」があり、橋の上からは渓谷の絶景が楽しめる。この橋は縁結びの橋としても知られている 50。

周辺の観光スポットとアクティビティ

鬼怒川温泉の大きな魅力は、周辺に多彩なテーマパークが点在していることだ。世界の有名建築物を25分の1のスケールで再現した「東武ワールドスクウェア」51や、江戸時代の街並みや文化を体験できる「EDO WONDERLAND 日光江戸村」49は、世代を問わず楽しめる人気のスポット。また、船頭の巧みな竿さばきで渓谷を下る「鬼怒川ライン下り」も、スリルと絶景を同時に味わえる定番アクティビティである 49。

専門家からの視点

鬼怒川温泉は、雄大な自然景観と、充実したエンターテイメント施設が見事に融合した温泉リゾートである。温泉で癒されるだけでなく、テーマパークやアクティビティでアクティブに過ごすこともできるため、特にファミリー層やグループ旅行からの人気が高い。世界遺産・日光にも近く、観光拠点としての利便性も抜群だ。

 

17位 伊香保温泉(群馬県)

 

 

365段の石段街、黄金の湯・白銀の湯

 

温泉地の概観と魅力

群馬県渋川市に位置する伊香保温泉は、草津温泉と並ぶ県を代表する名湯。そのシンボルは、温泉街の中心を貫く365段の石段街である 2。この石段には「温泉街が1年365日、にぎわうように」との願いが込められており、両脇には土産物店、飲食店、射的などの遊技場が軒を連ね、浴衣姿でそぞろ歩きを楽しむのに最適な、温泉情緒あふれる景観を作り出している 53。

泉質と効能

伊香保温泉には二種類の源泉がある。一つは、古くから湧き出る茶褐色の「黄金の湯(こがねのゆ)」。鉄分を多く含み、空気に触れると酸化して独特の色になる。体を芯から温める効果が高いとされる 2。もう一つは、近年になって湧出が確認された無色透明の「白銀の湯(しろがねのゆ)」。病後の回復や疲労回復に良いとされ、この二つの湯を楽しめるのが伊香保の魅力だ 2。

歴史と文化

その歴史は古く、『万葉集』にもその名が詠まれている 2。戦国時代には武田氏の家臣によって湯治場として整備され、江戸時代には多くの文人墨客が訪れた。また、近代日本画の巨匠、竹久夢二が愛した地としても知られ、「竹久夢二伊香保記念館」では大正ロマンの世界に浸ることができる 54。

周辺の観光スポットとアクティビティ

石段街を登りきった先には、縁結びや子宝にご利益があるとされる「伊香保神社」が鎮座する 54。さらに奥へ進むと、朱塗りの太鼓橋「河鹿橋」があり、新緑や紅葉の時期にはライトアップされ、幻想的な美しさを見せる 53。また、榛名山の麓に位置するため、榛名湖や榛名神社へのドライブも楽しめる 53。

専門家からの視点

伊香保温泉の魅力は、何と言っても石段街が作り出す独特の風情にある。坂の地形を巧みに利用して作られた温泉街は、歩くこと自体が楽しみとなる。二種類の対照的な泉質を持ち、歴史や文学、アートにも触れることができる、文化的な深みを持った温泉地である。

 

16位 和倉温泉(石川県)

 

 

海から湧く塩の湯、能登の食と文化

 

温泉地の概観と魅力

石川県能登半島、穏やかな七尾湾に面して湧く和倉温泉は、北陸を代表する温泉地である。海沿いに大規模な旅館が立ち並び、その多くがオーシャンビューを誇る。開湯1200年の歴史を持ち、海の中から温泉が湧き出たという伝説が残っている。

泉質と効能

泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物泉で、国内でも珍しい「海の温泉」である。塩分濃度が高く、殺菌効果や保湿効果に優れているのが特徴。湯冷めしにくく、リウマチや神経痛、アトピー性皮膚炎などに効果があると言われている。温泉街にある「湯元の広場」では、この塩辛い源泉を飲泉したり、温泉たまごを作ったりすることができる 57。

歴史と文化

約1200年前、薬師嶽の西にある円山の湯の谷で温泉が発見されたのが始まりとされる。その後、地殻変動により沖合60mの海中に湯源が移動。江戸時代には加賀藩の歴代藩主も湯治に訪れた。明治時代にはドイツで開かれた万国鉱泉博覧会で「世界三等鉱泉」に選ばれるなど、その泉質の良さは国際的にも認められていた。

周辺の観光スポットとアクティビティ

和倉温泉からは、能登半島観光の拠点として様々な場所へ足を延ばせる。七尾湾に浮かぶ「能登島」へは「能登島大橋」で結ばれており、島内には「のとじま水族館」などの人気スポットがある 58。また、世界的なパティシエ辻口博啓氏の美術館「ル ミュゼ ドゥ アッシュ」では、能登の食材を使った絶品スイーツを七尾湾の景色と共に楽しめる 57。足を延せば、世界農業遺産に認定された「白米千枚田」や、日本三大朝市の一つ「輪島朝市」など、能登ならではの文化に触れることができる 58。

専門家からの視点

和倉温泉は、質の高い温泉と、能登半島が誇る豊かな食文化を同時に堪能できる美食の温泉地である。特に冬の寒ブリやカニといった日本海の幸は絶品。近代的な大型旅館が提供する洗練されたサービスと、能登の雄大な自然や伝統文化が融合した、満足度の高い滞在が約束される温泉地だ。

※2024年1月の能登半島地震により、一部施設は休業している場合があるため、訪問の際は公式情報の確認が必要である 61。

 

15位 奥飛騨温泉郷(岐阜県)

 

 

北アルプスの絶景露天風呂、5つの温泉地の総称

 

温泉地の概観と魅力

岐阜県の北東部、北アルプスの懐に抱かれた奥飛騨温泉郷は、「平湯」「福地」「新平湯」「栃尾」「新穂高」という5つの温泉地の総称である 62。その最大の魅力は、槍ヶ岳や穂高連峰といった3000m級の山々を望む、圧倒的なスケールの露天風呂。日本一の露天風呂天国とも称され、その湯量は全国でもトップクラスを誇る。

泉質と効能

5つの温泉地はそれぞれ異なる源泉を持ち、単純温泉、炭酸水素塩泉、塩化物泉、硫黄泉など、多彩な泉質を楽しめる。湯量が豊富なため、多くの施設で源泉かけ流しの湯を堪能できる。大自然の中で浸かる温泉は、心身ともにリフレッシュさせる効果が絶大である。

歴史と文化

平湯温泉は、武田信玄が飛騨に攻め入った際に発見されたという伝説が残る秘湯である 61。古くは湯治場として栄え、合掌造りの古民家を移築した「平湯民俗館」では、昔ながらの飛騨の暮らしに触れることができる 63。温泉郷全体が中部山岳国立公園内に位置しており、手つかずの自然が色濃く残っている 63。

周辺の観光スポットとアクティビティ

奥飛騨温泉郷を訪れたら外せないのが「新穂高ロープウェイ」だ 63。日本唯一の2階建てゴンドラで標高2,168mの展望台まで上がれば、西穂高岳の千石尾根が目の前に迫る360度の大パノラマが広がる。また、約100頭のクマが暮らす「奥飛騨クマ牧場」も人気の観光スポット 62。冬には平湯大滝が凍りつく「平湯大滝結氷まつり」が開催され、ライトアップされた氷瀑が幻想的な世界を創り出す 63。

専門家からの視点

奥飛騨温泉郷は、温泉と登山の聖地である北アルプスの雄大な自然が完璧に融合した場所だ。その開放感あふれる露天風呂からの眺めは、他のどの温泉地も及ばない圧倒的な魅力を持つ。じゃらんの満足度ランキングでも常に上位にランクインしており 11、本物の自然と温泉を求める旅行者を裏切らない、最高のデスティネーションである。

 

14位 熱海温泉(静岡県)

 

 

海と花火のリゾート、首都圏からの好アクセス

 

温泉地の概観と魅力

静岡県伊豆半島の付け根に位置する熱海温泉は、1500年以上の歴史を持つ日本屈指の大温泉郷 66。相模湾に面した坂の多い地形に、数多くのホテルや旅館、リゾートマンションがひしめき合っている。東京から新幹線で最短約35分という抜群のアクセスを誇り、年間を通じて多くの観光客で賑わう 12。近年は若者向けの新しい飲食店やフォトジェニックなスポットも増え、再び注目を集めている 12。

泉質と効能

源泉数は500を超え、総湧出量も全国有数 66。泉質は主に弱アルカリ性の塩化物泉で、保温効果が高く、神経痛や冷え性などに効能があるとされる。徳川家康が愛した湯としても知られ、駅前には無料の足湯「家康の湯」がある 68。

歴史と文化

その名の由来は、海の中から温泉が湧き出し、魚が死ぬほど海が熱くなったことから「熱海(あついうみ)」と呼ばれるようになったという伝説にある 66。江戸時代には徳川将軍家御用達の湯として栄え、明治時代には尾崎紅葉の小説『金色夜叉』の舞台として全国的に有名になった 66。

周辺の観光スポットとアクティビティ

熱海観光のハイライトは、年間10回以上開催される「熱海海上花火大会」だ 70。三方を山に囲まれたすり鉢状の地形が音響効果を高め、迫力満点の花火が楽しめる。その他にも、国宝を多数所蔵する「MOA美術館」66、ご神木の大楠がパワースポットとして名高い「來宮神社」69、バラとハーブが咲き誇る「ACAO FOREST」69など、見どころは尽きない。

専門家からの視点

熱海温泉は、楽天トラベルの人気温泉地ランキングで11年連続1位を獲得するなど 12、その人気は不動のものである。その理由は、首都圏からのアクセスの良さに加え、温泉、海、花火、アート、グルメといった観光の魅力がコンパクトなエリアに凝縮されている点にある。伝統的な温泉情緒と現代的なリゾートの快適さが共存し、あらゆる世代のニーズに応えることができる、日本を代表する温泉デスティネーションである。

 

13位 銀山温泉(山形県)

 

 

大正ロマンの街並み、ガス灯と雪景色

 

温泉地の概観と魅力

山形県尾花沢市、銀山川の両岸に大正末期から昭和初期にかけて建てられた木造多層の旅館が軒を連ねる、風情あふれる温泉地 61。石畳の道の両脇にはガス灯が設置されており、夕暮れ時になるとオレンジ色の温かい光が灯り、ノスタルジックな雰囲気に包まれる 7。特に、雪が降り積もる冬の夜景は幻想的で、この景色を一目見ようと国内外から多くの観光客が訪れる。

泉質と効能

泉質は含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉。細かな湯花が混じる柔らかな湯で、神経痛やリウマチ、皮膚病などに効能があるとされる。温泉街には共同浴場「しろがね湯」や、無料で利用できる「和楽足湯」があり、散策の途中に気軽に温泉を楽しめる 7。

歴史と文化

その名の通り、かつては江戸時代初期に日本三大銀山の一つとして栄えた「延沢銀山」のあった場所 72。銀山が閉山した後、湯治場として発展した。昭和後期に放送されたNHK連続テレビ小説『おしん』の舞台となったことで全国的に有名になり、その人気を不動のものとした 72。建物の壁に施された色鮮やかな「鏝絵(こてえ)」や、旅館の意匠など、細部に至るまで大正ロマンの美学が貫かれている 7。

周辺の観光スポットとアクティビティ

温泉街の奥にある「白銀公園」には、落差22mの「白銀の滝」や、かつての銀採掘の様子を垣間見ることができる「延沢銀坑洞」があり、散策コースとして人気 73。また、温泉街では大正時代の衣装をレンタルして街歩きを楽しむこともでき、タイムスリップしたかのような気分を味わえる 72。

専門家からの視点

銀山温泉の魅力は、その完璧に保存・演出された「大正ロマン」という世界観にある。じゃらんの「あこがれ温泉地ランキング」で常に上位にランクインするのは 11、この唯一無二の景観が多くの人々の心を捉えて離さないからだ。温泉そのものの質もさることながら、街全体が持つ物語性と写真映えする美しさが、銀山温泉を特別な場所にしている。

 

12位 城崎温泉(兵庫県)

 

 

文豪が愛した街、七つの外湯めぐり、浴衣と下駄

 

温泉地の概観と魅力

兵庫県北部の豊岡市にある城崎温泉は、大谿川(おおたにがわ)沿いの柳並木と、そこに架かる太鼓橋が美しい、情緒豊かな温泉地 75。この温泉地の最大の魅力は「外湯めぐり」である。「さとの湯」「一の湯」「御所の湯」など、それぞれに由来や趣の異なる7つの共同浴場(外湯)が温泉街に点在しており、宿泊客は浴衣に下駄履きでこれらの湯を巡るのが習わしとなっている 75。

泉質と効能

泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物・高温泉。神経痛や筋肉痛、消化器病などに効能があるとされ、古くから多くの湯治客に親しまれてきた。7つの外湯はそれぞれ異なる趣向を凝らしており、例えば「一の湯」は洞窟風呂が名物、「さとの湯」は展望露天風呂が楽しめる 75。

歴史と文化

開湯1300年の歴史を持ち、平安時代から知られた名湯。近代に入り、多くの文人墨客に愛されたことでも知られる。特に、志賀直哉が療養中に執筆した短編小説『城の崎にて』は有名で、城崎温泉の名を文学史に刻んだ。温泉街には、城崎ゆかりの文豪たちの資料を展示する「城崎文芸館」がある 76。

周辺の観光スポットとアクティビティ

温泉街の散策だけでも十分に楽しめるが、少し足を延せば見どころも多い。「城崎温泉ロープウェイ」に乗れば、山頂から温泉街と日本海を一望できる 76。また、イルカやアシカのショーが人気の「城崎マリンワールド」75や、160万年前の火山活動でできた柱状節理が見事な「玄武洞公園」75も、城崎温泉からアクセスの良い観光スポットである。

専門家からの視点

城崎温泉は「まち全体が一つの旅館」というコンセプトを見事に体現している。宿泊客が浴衣で外湯を巡ることで、温泉街全体に活気と一体感が生まれる。この「外湯めぐり」という文化は、単なる温泉入浴を超えた、体験そのものを楽しむ旅のスタイルを提案しており、他の温泉地にはない強い魅力となっている。文学の香りと温泉情緒が溶け合った、文化的な深みを持つ温泉地である。

 

11位 指宿温泉(鹿児島県)

 

 

世界唯一の天然砂むし温泉、薩摩富士の絶景

 

温泉地の概観と魅力

鹿児島県薩摩半島の南端に位置する指宿温泉は、温暖な気候と南国情緒あふれる温泉地。この地を世界的に有名にしているのが、海岸の砂浜で楽しむ「天然砂むし温泉」である 77。海岸に自然湧出する温泉の熱で温められた砂に全身を埋めると、体の芯から温まり、大量の汗と共に老廃物が排出される。このデトックス効果は、通常の温泉入浴の3~4倍とも言われている。

泉質と効能

泉質はナトリウム-塩化物泉。砂むし温泉の効能は、神経痛、リウマチ、冷え性、そして美容効果などが挙げられ、特に女性からの人気が高い 78。温泉街には、砂むし温泉を楽しめる「砂むし会館 砂楽(さらく)」などの専門施設がある 78。

歴史と文化

指宿温泉の歴史は古く、神話の時代にまで遡る伝説が残っている。江戸時代には薩摩藩島津家の湯治場として栄えた。また、この地はサツマイモ(からいも)が日本に初めて伝来した場所の一つとされ、その功績者である前田利右衛門を祀る「徳光神社」がある 78。

周辺の観光スポットとアクティビティ

指宿周辺には、薩摩富士と称される美しい円錐形の「開聞岳」78や、九州最大の湖「池田湖」78など、雄大な自然景観が広がる。浦島太郎伝説発祥の地とされる「龍宮神社」78や、南国の花々が咲き誇る「フラワーパークかごしま」78も人気の観光スポット。また、名物の「唐船峡そうめん流し」は、清涼な湧水で冷やされたそうめんを味わえる夏の風物詩である 78。

専門家からの視点

指宿温泉の魅力は、何と言っても「砂むし」という世界で唯一無二の体験にある。温暖な気候と美しい海岸線、そして雄大な開聞岳の眺望が、非日常的なリゾート気分を盛り上げてくれる。健康と美容への関心が高い現代において、そのデトックス効果は大きな訴求力を持つ。温泉の新たな楽しみ方を提案する、ユニークなデスティネーションである。

 

10位 下呂温泉(岐阜県)

 

 

日本三名泉、美人の湯、飛騨川沿いの温泉街

 

温泉地の概観と魅力

岐阜県の中東部に位置する下呂温泉は、草津、有馬と並び「日本三名泉」の一つに称えられる天下の名湯である 1。美しい飛騨川沿いに温泉街が広がり、川のせせらぎを聞きながら楽しめる露天風呂や足湯が点在している 79。温泉街には、飛騨牛グルメや温泉まんじゅうなどを楽しめる店が立ち並び、食べ歩きも楽しい 2。

泉質と効能

泉質はpH値9以上を誇るアルカリ性単純温泉 79。とろりとした滑らかな湯ざわりが特徴で、肌の角質を取る効果があることから、天然の石鹸ともいわれ、「美人の湯」として名高い 2。湯上りには肌がすべすべになるのを実感できる。

歴史と文化

その歴史は古く、傷ついた一羽の白鷺が温泉のありかを知らせたという開湯伝説が残る 79。室町時代には高僧・万里集九が、江戸時代には儒学者・林羅山が、それぞれ詩文集の中で草津・有馬と並ぶ名泉として称賛したことで、その名声が全国に広まった 79。温泉街の高台にある「温泉寺」は、白鷺伝説に登場する薬師如来を祀っており、173段の石段を登ると下呂の街並みを一望できる 8。

周辺の観光スポットとアクティビティ

白川郷から移築した合掌造りの民家を見学できる「下呂温泉合掌村」は、日本の原風景に触れられる人気の観光スポット 8。村内では陶芸や和紙の絵漉き体験もできる 8。また、温泉の歴史や科学を学べる「下呂発温泉博物館」もユニークな施設だ 80。冬には、毎週土曜日に花火が打ち上げられる「冬の下呂温泉 花火物語」が開催され、澄んだ夜空を彩る 81。

専門家からの視点

下呂温泉は、「日本三名泉」という最高のブランド力と、「美人の湯」という分かりやすい魅力を持つ、万人におすすめできる王道の温泉地だ。泉質の良さはもちろんのこと、飛騨牛をはじめとするグルメ、合掌村での文化体験など、温泉以外の楽しみも充実している。歴史と伝統に裏打ちされた、バランスの取れた名湯である。

 

9位 有馬温泉(兵庫県)

 

 

日本三古湯、太閤秀吉の湯、金泉・銀泉

 

温泉地の概観と魅力

神戸市北区、六甲山の北麓に位置する有馬温泉は、道後、白浜と並ぶ「日本三古湯」の一つであり、日本書紀にも名が記されている日本最古級の温泉地。大都市・神戸の市内にありながら、細い坂道が入り組んだ温泉街は、歴史の重みを感じさせる独特の風情を醸し出している。

泉質と効能

有馬温泉の最大の特徴は、異なる泉質を持つ二つの名湯、「金泉(きんせん)」と「銀泉(ぎんせん)」が湧き出ていること 82。金泉は、鉄分と塩分を豊富に含み、空気に触れると赤茶色に濁る。保温・保湿効果が高く、冷え性や皮膚病に効能があるとされる。一方の銀泉は、無色透明の炭酸泉とラジウム泉の混合泉で、血行を促進し、高血圧などに良いとされる。この二つの湯を巡るのが、有馬温泉の楽しみ方の基本である。

歴史と文化

神代の昔に発見されたという伝説を持つ有馬温泉は、奈良時代の僧・行基によって再興され、多くの人々に知られるようになった。戦国時代には、天下人・豊臣秀吉がこの地をこよなく愛し、何度も湯治に訪れたことで有名 82。秀吉は大規模な改修工事を行い、現在の温泉街の基礎を築いた。阪神大震災後に発見された秀吉の「湯山御殿」の遺構は、「太閤の湯殿館」として公開されている 82。

周辺の観光スポットとアクティビティ

温泉街には、金泉を楽しめる外湯「金の湯」、銀泉を楽しめる「銀の湯」があり、気軽に名湯を体験できる 82。また、秀吉が愛した紅葉の名所「瑞宝寺公園」82や、ニジマス釣りが楽しめる「有馬ます池」82など、散策スポットも豊富。名物の炭酸せんべいや、佃煮、有馬籠といった伝統工芸品など、土産物選びも楽しい 84。

専門家からの視点

有馬温泉は、大都市近郊にありながら、日本最古級の歴史と、太閤秀吉という強力なストーリーを持つ、非常に格式の高い温泉地である。金泉・銀泉という対照的な二つの湯は、温泉の多様性と奥深さを教えてくれる。歴史、泉質、風情、そしてアクセスの良さと、あらゆる面で高いレベルを誇る、関西が世界に誇る名湯である。

 

8位 乳頭温泉郷(秋田県)

 

 

憧れの秘湯、七湯めぐり、乳白色の湯

 

温泉地の概観と魅力

秋田県仙北市、十和田・八幡平国立公園の乳頭山麓に点在する七つの温泉宿の総称が、乳頭温泉郷である 85。ブナの原生林に囲まれた秘境ムード満点のロケーションに、「鶴の湯」「妙乃湯」「黒湯温泉」「蟹場温泉」「孫六温泉」「大釜温泉」「休暇村乳頭温泉郷」の七湯がそれぞれ独自の源泉を持ち、個性豊かな湯を提供している 85。

泉質と効能

七湯はそれぞれ泉質が異なり、一郷で10種類以上の多様な源泉を楽しめるのが最大の魅力 86。特に有名なのが、乳白色の硫黄泉。美肌効果が高いとされ、多くのファンを持つ。各宿を巡ることができる「湯めぐり帖」が人気で、これを利用して泉質の違いを体感するのが醍醐味だ 87。

歴史と文化

最も古い歴史を持つ「鶴の湯温泉」は、江戸時代には秋田藩主の湯治場として利用された由緒ある温泉 85。茅葺き屋根の長屋「本陣」が今も宿泊棟として使われており、昔ながらの湯治場の風情を色濃く残している 85。この鶴の湯の、雪景色の中に乳白色の湯が広がる混浴露天風呂の光景は、乳頭温泉郷の象徴としてあまりにも有名である。

周辺の観光スポットとアクティビティ

温泉郷周辺は、手つかずの自然が最大の魅力。ブナ林の散策や、乳頭山への登山など、四季折々の自然を満喫できる。少し足を延せば、日本一の水深を誇る神秘的な「田沢湖」6や、紅葉の名所「抱返り渓谷」6などの景勝地もある。

専門家からの視点

乳頭温泉郷は、じゃらんの「あこがれ温泉地ランキング」で長年1位に輝き続けるなど 11、多くの人々が「いつか行ってみたい」と夢見る、まさに憧れの温泉地である。その理由は、都会の喧騒から完全に隔絶された「秘湯」というイメージを完璧に体現しているからに他ならない。素朴でありながら本質的な温泉の魅力と、日本の原風景ともいえる美しい自然が、訪れる人々の心を強く惹きつける。

 

7位 登別温泉(北海道)

 

 

9種の泉質を誇る温泉のデパート、地獄谷

 

温泉地の概観と魅力

北海道を代表する温泉地であり、国内でも屈指の人気を誇る登別温泉。その最大の特徴は、一つの温泉地にいながらにして、多種多様な泉質を楽しめることである。その数なんと9種類。このことから「温泉のデパート」とも称される。温泉街の北東に位置する「地獄谷」は、登別温泉最大の源泉地であり、谷の至る所から白煙と火山ガスが噴出し、硫黄の匂いが立ち込める光景は、まさに地獄さながらの迫力である 88。

泉質と効能

代表的な硫黄泉をはじめ、食塩泉、明礬泉、緑礬泉、鉄泉など、9種類もの泉質が湧き出しており、それぞれ効能も異なる。多くのホテルや旅館では、複数の泉質の浴槽を備えており、館内で湯めぐりが楽しめる。この泉質の豊富さと1日1万トンという豊富な湯量が、登別温泉の価値を絶対的なものにしている 88。

歴史と文化

その歴史は江戸時代に遡るが、本格的な温泉地として開発されたのは明治時代以降。温泉街には、地獄の番人である閻魔(えんま)を祀る「閻魔堂」があり、定時になるとからくり仕掛けの閻魔様が表情を変えて人々を裁く「地獄の審判」が上演される 88。

周辺の観光スポットとアクティビティ

登別温泉周辺には、家族で楽しめる観光スポットが充実している。ロープウェイで登る「のぼりべつクマ牧場」では、ヒグマを間近で観察できる 88。デンマークの城をモデルにした水族館「登別マリンパークニクス」89や、江戸時代の街並みを再現した「登別伊達時代村」89も人気が高い。また、地獄谷から流れる温泉の川で足湯が楽しめる「大湯沼川天然足湯」は、散策の疲れを癒すのに最適なスポットだ 89。

専門家からの視点

登別温泉は、温泉のテーマパークとも言える場所だ。地獄谷のダイナミックな景観、圧倒的な泉質のバリエーション、そして充実した周辺観光施設と、温泉旅行に求められるあらゆる要素が高次元で満たされている。じゃらんの人気温泉地ランキングでも常に上位に位置し 11、その総合力の高さは揺るぎない。北海道を訪れるなら、必ず旅程に組み込むべき名湯である。

 

6位 黒川温泉(熊本県)

 

 

統一された景観美、入湯手形、里山の秘湯

 

温泉地の概観と魅力

熊本県阿蘇郡南小国町、筑後川の支流である田の原川の渓谷沿いに、約30軒の旅館がひっそりと佇む黒川温泉。この温泉地の最大の魅力は、里山の自然と調和した、しっとりと落ち着いた温泉街の景観美にある 92。旅館組合の主導のもと、派手な看板や歓楽的な要素を排し、黒や茶を基調とした木造建築と、雑木林の緑、そして湯けむりが一体となった統一感のある街並みを創り上げた 92。

泉質と効能

泉質は主に単純温泉や硫黄泉で、切り傷や皮膚病に効能があるとされる。黒川温泉の楽しみ方を革新したのが「入湯手形」だ 92。この杉の木でできた手形を1枚購入すると、加盟する旅館の中から好きな3軒の露天風呂に入浴することができる。このシステムにより、宿泊客は自分の宿だけでなく、温泉街全体を回遊し、様々な露天風呂を巡る楽しみが生まれた。

歴史と文化

江戸時代中期から湯治場として知られていたが、長くはひなびた温泉地であった。1980年代以降、後藤哲也氏(新明館館主)ら地元の若手経営者たちが中心となり、「露天風呂めぐり」と「入湯手形」を核とした、他に類を見ない温泉地づくりに着手。自然景観を活かし、個々の旅館が協力して温泉街全体の魅力を高めるという手法は、全国の温泉地再生のモデルケースとなった。

周辺の観光スポットとアクティビティ

温泉街の散策そのものが最大の楽しみだが、周辺には阿蘇の雄大な自然が広がる。お茶のCMで有名になった「鍋ヶ滝」は、滝の裏側から水のカーテンを眺めることができる神秘的なスポット 94。また、阿蘇くじゅう国立公園内に位置するため、大観峰からの絶景や、やまなみハイウェイのドライブなど、ダイナミックな自然を満喫できる 95。

専門家からの視点

黒川温泉は、日本の温泉観光に革命をもたらした場所だ。個々の利益追求ではなく、地域全体で一つの世界観を創り上げるという思想は、多くの温泉地に影響を与えた。「入湯手形」を片手に浴衣でそぞろ歩きする体験は、まさに黒川温泉でしか味わえない。その独自の哲学と美学が、じゃらんの人気温泉地ランキングで常に上位にランクインする 11 理由であり、多くのリピーターを惹きつけてやまない魅力の源泉である。

 

5位 別府温泉郷(大分県)

 

 

日本一の湧出量を誇る温泉エンターテイメントシティ

 

温泉地の概観と魅力

大分県別府市に広がる別府温泉郷は、単一の温泉地ではなく、「別府八湯(べっぷはっとう)」と呼ばれる8つの個性的な温泉エリアの総称である 16。源泉数、湧出量ともに日本一を誇り、街の至る所から湯けむりが立ち上る光景は圧巻。この湯けむり景観は「21世紀に残したい日本の風景」で富士山に次ぐ第2位に選ばれたほど、日本の温泉文化を象徴するものである 98。

泉質と効能

別府の最大の強みは、その圧倒的な多様性にある。日本に存在する10種類の主要泉質のうち、7種類がこの地に集まっている。観光のハイライトは、様々な泉質の源泉を観て楽しむ「地獄めぐり」だ。コバルトブルーの「海地獄」や、真っ赤な「血の池地獄」など、自然が創り出した奇観は必見 67。もちろん入浴も多彩で、泥湯で知られる「別府温泉保養ランド」99や、海岸での「砂湯」98など、ユニークな入浴体験ができる。

歴史と文化

古くから温泉地として知られていたが、近代以降、港と鉄道の整備により一大観光地として発展。地元の人々に愛される数多くの「共同温泉」16が、市民の生活に深く根付いている。レトロな雰囲気が魅力の「竹瓦温泉」98や、名古屋テレビ塔などを設計した内藤多仲による「別府タワー」98は、別府の歴史を物語るランドマークだ。

周辺の観光スポットとアクティビティ

別府は温泉以外のエンターテイメントも充実している。水族館「うみたまご」99や、標高約700mの高原にある遊園地「城島高原パーク」98は家族連れに人気。また、鶴見岳や扇山を望む「志高湖」では、キャンプやボート遊びなど、豊かな自然を満喫できる 98。

専門家からの視点

別府温泉郷は、まさに「温泉の総合デパート」あるいは「温泉エンターテイメントシティ」と呼ぶにふさわしい。その圧倒的なスケール、泉質の多様性、そして観光資源の豊富さは、他の追随を許さない。じゃらんの宿泊者数ランキング、満足度ランキング共に上位に位置し 11、国内外の幅広い層の旅行者を満足させる力を持っている。温泉の奥深さと楽しさを一度に体験したいなら、別府は外せない選択肢である。

 

4位 道後温泉(愛媛県)

 

 

三千年の歴史が息づく、日本最古の物語の湯

 

温泉地の概観と魅力

愛媛県松山市に位置する道後温泉は、『日本書紀』にもその名が登場する、3000年の歴史を誇る日本最古の温泉地である 2。そのシンボルは、公衆浴場として初めて国の重要文化財に指定された「道後温泉本館」 2。明治時代に建てられた木造三層楼の威容は、夏目漱石の小説『坊っちゃん』の舞台となり、またスタジオジブリの映画『千と千尋の神隠し』のモデルの一つになったとも言われ、多くの人々を魅了し続けている 102。

泉質と効能

泉質は刺激の少ないアルカリ性単純温泉で、きめ細やかで滑らかな湯ざわりから「美人の湯」として知られる 16。道後温泉本館などでは、加水・加温なしの100%源泉かけ流しで、その良質な湯を堪能できる 103。

歴史と文化

聖徳太子も来浴したという伝説が残るなど、その歴史は神話の時代にまで遡る 79。近代では、松山出身の俳人・正岡子規や、彼の親友であった夏目漱石ゆかりの地として、文学的な香りが色濃く漂う。温泉街を走るレトロな「坊っちゃん列車」2や、定時になると小説の登場人物が現れる「坊っちゃんカラクリ時計」103は、その物語の世界観を今に伝えている。2024年7月には、5年半に及んだ道後温泉本館の保存修理工事が完了し、全館営業を再開した 13。

周辺の観光スポットとアクティビティ

温泉街には、土産物店や飲食店が並ぶ「道後ハイカラ通り」があり、散策が楽しい 79。また、飛鳥時代の建築様式を取り入れた新しい湯屋「道後温泉別館 飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)」103も人気。少し足を延せば、現存12天守の一つである国宝「松山城」104や、正岡子規の生涯を紹介する「子規記念博物館」103など、松山の歴史と文化に触れることができる。

専門家からの視点

道後温泉の魅力は、単なる温泉の良さにとどまらず、日本の歴史と文学に深く根差した豊かな物語性にある。本館の湯に浸かることは、三千年の時を超えて、数多の歴史上の人物や文豪たちと同じ体験を共有することに他ならない。旅行業界のプロが選ぶ「にっぽんの温泉100選」で過去最高の2位に選ばれるなど 13、その文化的価値は近年ますます高まっている。まさに、時を旅する温泉地である。

 

3位 箱根温泉(神奈川県)

 

 

首都圏の奥座敷、多様な泉質と芸術が融合するリゾート

 

温泉地の概観と魅力

神奈川県南西部に位置する箱根は、首都圏から最も身近な本格的温泉リゾートである。箱根は単一の温泉地ではなく、箱根湯本、強羅、仙石原、芦ノ湖畔など、それぞれに特色の異なる温泉地が集まった広大なエリアの総称で、「箱根二十湯」とも呼ばれる 68。この圧倒的な多様性と、東京からの抜群のアクセス性が、箱根を不動の人気温泉地たらしめている理由だ 1。

泉質と効能

エリアが広大であるため、泉質も多岐にわたる。箱根湯本は無色透明な単純温泉や塩化物泉、大涌谷周辺では白濁した酸性の硫黄泉など、場所によって全く異なる湯を楽しめる 106。まさに温泉の「テイスティングメニュー」を体験できるのが箱根の醍醐味だ。

歴史と文化

古くは江戸と京を結ぶ東海道の要衝として、「箱根関所」が置かれた交通の要地であった 107。明治時代以降、外国人向けの避暑地・リゾート地として開発が進み、「富士屋ホテル」108に代表されるようなクラシックホテルが建てられ、和洋折衷の独特な文化が育まれた。

周辺の観光スポットとアクティビティ

箱根の最大の強みは、温泉と観光が見事に一体化した周遊コースが確立されていることだ。「箱根登山電車」で山を登り、「箱根ロープウェイ」で噴煙を上げる大涌谷の上空を渡り、芦ノ湖では「箱根海賊船」でクルーズを楽しむ 108。このゴールデンルート上には、「彫刻の森美術館」107や「ポーラ美術館」108といった世界レベルの美術館が点在し、自然とアートを同時に満喫できる。

専門家からの視点

箱根は、自然、温泉、交通、芸術、歴史という観光の要素を、極めて高いレベルで融合させた、日本を代表する観光地である。その洗練されたツーリズムの仕組みは、国内外のあらゆる旅行者にとって分かりやすく、満足度が高い。一部には「開発されすぎている」との声もあるが、それこそが箱根の強みであり、多くの人々にとって温泉文化への最高の入り口となっている。国際的な観光地としての評価も高く 109、その地位は揺るぎない。

 

2位 由布院温泉(大分県)

 

 

アートと自然が彩る、洗練された散策の街

 

温泉地の概観と魅力

大分県の中央部、名峰・由布岳の麓に広がる由布院温泉は、隣接する別府温泉とは対照的に、しっとりと落ち着いた洗練された雰囲気が魅力の温泉地だ。中心となるのは、お洒落な雑貨店やカフェ、スイーツ店、美術館などが軒を連ねる「湯の坪街道」 110。この街道をそぞろ歩きしながら、最終地点である神秘的な「金鱗湖」を目指すのが、由布院観光の王道スタイルである。湖の底から温泉と清水が湧き出ており、秋から冬にかけての早朝には湖面から霧が立ち上る幻想的な光景が見られる 110。

泉質と効能

泉質は主に刺激の少ない単純温泉で、肌に優しく、誰にでも入りやすい。由布院では、泉質の力強さよりも、美しくデザインされた旅館の風呂で、由布岳の景色を眺めながらリラックスするという、上質な入浴体験そのものが重視される傾向にある。

歴史と文化

由布院の現在の姿は、戦後の意図的なまちづくりによって形成された。大規模な歓楽的開発を避け、田園風景や自然景観を大切にしながら、アートや音楽、映画といった文化を核としたまちづくりを進めてきた。その象徴が、観光客を乗せてのどかな田園地帯を巡る「観光辻馬車」111や、駅の待合室がアートギャラリーになっている「由布院駅アートホール」110である。

周辺の観光スポットとアクティビティ

湯の坪街道沿いには、英国の美しい村を再現した「湯布院フローラルヴィレッジ」110や、本格的なステンドグラスを展示する「由布院ステンドグラス美術館」110など、女性やカップルに人気のスポットが多い。また、陶芸体験ができる工房も点在する 112。由布院盆地を一望できる「狭霧台」からの眺めも格別だ 110。

専門家からの視点

由布院は、現代の温泉地ブランディングの最高傑作と言える。温泉そのものの魅力に加え、洗練された雰囲気、アート、食、そして美しい自然景観という付加価値を巧みに組み合わせることで、熱心なリピーターを持つ独自の地位を築き上げた。「憧れ」や「満足度」のランキングで常に上位に名を連ねる 11 のは、その質の高い体験が多くの旅行者に支持されている証拠だ。大人のための、上質で落ち着いた休日を過ごすのに最適な場所である。

 

1位 草津温泉(群馬県)

 

 

天下の名湯、日本一の湧出量と湯力がもたらす究極の温泉体験

 

温泉地の概観と魅力

「天下の名湯」と称され、あらゆる評価軸で日本の温泉の頂点に君臨するのが草津温泉である。旅行のプロが選ぶ「にっぽんの温泉100選」では21年連続で1位に輝き 16、「もう一度行ってみたい温泉地」調査でも常にトップを争う 13。その中心であり、シンボルでもあるのが「湯畑(ゆばたけ)」だ。毎分4,000リットルもの高温の源泉が湧き出し、木の樋を流れ落ちる間に湯温を下げ、同時に温泉成分である「湯の花」を採取する、草津ならではの壮大な装置である 79。街全体が硫黄の香りに包まれ、これぞ温泉地という力強い活気に満ちている。

泉質と効能

草津の価値を決定づけるのは、その圧倒的な「湯力(ゆじから)」である。泉質は日本有数の強酸性(pH2.1前後)で、極めて高い殺菌力を誇る 16。古くから「恋の病以外はすべて治す」と言い伝えられるほど、その効能は絶大だ 2。自然湧出量は日本一で、毎分32,300リットル以上もの温泉が湧き出しており、ほとんどの旅館や施設で加水・加温なしの100%源泉かけ流しを実現している 79。

歴史と文化

草津の文化は、この高温で強力な湯をいかにして入浴に適したものにするか、という工夫の歴史そのものである。その象徴が「湯もみ」だ。熱い源泉に水を加えて効能を薄めることなく、長い木の板で湯をかき混ぜて空気に触れさせることで、湯温を下げ、湯を柔らかくする伝統的な手法である 16。観光客は「熱乃湯(ねつのゆ)」で、湯もみ唄に合わせて行われるショーを見学したり、実際に体験したりすることができる 117。

周辺の観光スポットとアクティビティ

湯畑周辺の散策や、広大な河原全体が温泉となっている「西の河原公園」と、そこにある日本有数の広さを誇る大露天風呂が主な見どころ 115。また、春から秋にかけては、万座温泉や志賀高原へと続く「志賀草津高原ルート」が絶景のドライブコースとして人気。特に春の開通直後に現れる「雪の回廊」は圧巻である 115。

専門家からの視点

草津温泉が数多のランキングで1位を獲得し続ける理由は、温泉に求められる本質的な価値、すなわち「湯の力」が傑出しているからに他ならない。そのパワフルな泉質、豊富な湯量、そして湯畑を中心とした唯一無二の景観と湯もみという伝統文化。すべてが一体となり、訪れる者に「本物の温泉」を体験したという強い満足感を与える。高級旅館から手頃な宿まで多様な選択肢があり 14、あらゆる旅行者を受け入れる懐の深さも併せ持つ。日本の温泉文化の粋を体験したいと願うならば、まず目指すべき場所は草津温泉である。これ以上の温泉地は、そう簡単には見つからないだろう。


引用文献

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  11. じゃらん人気温泉地ランキング2021、満足度総合1位は3年ぶりに福島県「高湯温泉」、もう一度行ってみたい温泉はトップ5が3年連続不動の人気 - トラベルボイス, 6月 27, 2025にアクセス、 https://www.travelvoice.jp/20201216-147713
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