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こんにちは。旅行宿泊探訪記、運営者の「K」です。
歴史的な街並みや壮大な自然が魅力のスコットランド。旅行の計画を立てていると、「スコットランドでは一体何語が話されているんだろう?」とふと疑問に思うことがありますよね。スコットランドで英語は通じるのか、それとも全く違う言葉が使われているのか。映画やドラマで耳にする独特な訛りは、実際に現地で聞き取れるのか、少し不安になるかもしれません。また、スコットランド語と英語の違いや、今も大切にされているゲール語とはどんな言葉なのか、そして旅行で使える簡単な挨拶はあるのか、知りたいことはたくさんあると思います。
この記事では、そんなスコットランドの言語に関する様々な疑問にお答えしていきます。旅行前の不安を解消し、スコットランドの豊かな文化への理解を深めるお手伝いができれば嬉しいです。
VisitScotland - Scotland's National Tourist Organisation ...
この記事でわかること
- スコットランドの3つの公用語とその特徴
- スコットランド英語の独特な訛りについて
- スコットランド語とゲール語の歴史的背景
- 旅行で役立つ簡単な挨拶フレーズ
スコットランドでは何語が話される?3つの公用語

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さっそく、スコットランドで話されている言葉について見ていきましょう。実はスコットランドには、主に3つの言語が存在しています。それぞれに歴史があり、今も人々の生活に根付いているんですね。旅行者が知っておくと、現地でのコミュニケーションがもっと楽しくなるかもしれません。
スコットランドの公用語は英語とゲール語
まず公式な話からすると、スコットランドの公用語は「英語」と「スコットランド・ゲール語」の2つです。ほとんどの人が日常的に使うのは英語で、スコットランド中どこへ行っても通じます。
そしてもう一つの公用語、スコットランド・ゲール語は、主に北西部のハイランド地方やヘブリディーズ諸島などで話されている歴史ある言語です。道路標識などには、英語とゲール語が併記されているのをよく見かけますよ。これは、ゲール語文化を大切に守っていこうという意志の表れなんですね。
「あれ、3つって言ったのに2つ?」と思いましたか?実はもう一つ、英語とは異なる「スコットランド語(スコッツ語)」という言語も広く使われています。公用語とまでは定められていませんが、政府にも認められている非常に重要な言語なんです。
スコットランドの3つの言語
- 英語(スコティッシュ・イングリッシュ):最も広く使われる主要言語
- スコットランド語(スコッツ語):英語に近いが独立したゲルマン系の言語
- スコットランド・ゲール語:ケルト系の歴史ある言語。公用語の一つ
特徴的なスコットランドの英語の訛り
スコットランドで話される英語は、「スコティッシュ・イングリッシュ」と呼ばれ、とても特徴的な訛り(アクセント)があることで有名です。特に「R」の音を巻き舌で発音するのが印象的ですね。映画『トレインスポッティング』などで、その独特な話し方を聞いたことがある方もいるかもしれません。
最初は少し戸惑うかもしれませんが、慣れてくるとそのリズミカルな響きが心地よく感じられるから不思議です。いくつか代表的な単語を知っておくと、会話のきっかけになるかもしれません。
- Aye (アイ) - Yesの意味。頻繁に使われます。
- Wee (ウィー) - SmallやLittleの意味。「a wee bit(少しだけ)」のように使います。
- Loch (ロック) - Lake(湖)のこと。ネス湖は「Loch Ness」ですね。
- Ken (ケン) - Know(知っている)の意味。「I ken.(知ってるよ)」といった感じです。
もちろん、観光地のホテルやお店では、旅行者にも分かりやすいように話してくれることが多いので、そこまで心配しなくても大丈夫ですよ。
スコットランド語と英語の明確な違い
「スコットランド語(スコッツ語)」は、単なる英語の訛りだと思われがちですが、実は英語とは異なる独立した言語なんです。もちろん、英語と同じゲルマン語派に属しているので、兄弟のような関係で似ている単語も多いです。でも、文法や語彙にははっきりとした違いがあります。
例えば、「家」は英語で "House" ですが、スコットランド語では "Hoose" と言ったり、「教会」は "Church" に対して "Kirk" だったりします。詩人のロバート・バーンズは、このスコットランド語で多くの美しい詩を残したことで知られていますね。
旅行中にスコットランド語だけで話しかけられることは稀だと思いますが、この言葉がスコットランド人のアイデンティティの一部になっていることを知っておくと、文化への理解がより深まるかなと思います。
ケルトの言葉、スコットランド・ゲール語
スコットランド・ゲール語は、英語やスコットランド語とは全くルーツが異なるケルト系の言語です。アイルランドのゲール語(アイルランド語)と非常に近い関係にあります。その響きはとても音楽的で美しいのですが、英語話者にとっては習得がかなり難しい言語と言われています。
かつてはスコットランド全域で話されていましたが、歴史の中で話者数が減少し、今では主にハイランド地方や島嶼部(アウター・ヘブリディーズ諸島など)で日常的に使われています。これらの地域を訪れると、道路標識やお店の看板でゲール語を目にする機会が増え、まるで違う国に来たかのような気分を味わえますよ。
ゲール語に触れるには?
ゲール語に興味があるなら、BBC Albaというゲール語専門のテレビチャンネルを見てみるのがおすすめです。音楽番組も多く、言葉がわからなくてもその雰囲気を楽しむことができます。
旅行で使えるスコットランドの挨拶
旅行中は基本的に英語の挨拶で全く問題ありませんが、現地の言葉で挨拶ができると、地元の人との距離がぐっと縮まるかもしれません。いくつか簡単なフレーズを紹介しますね。
挨拶フレーズ集
| 場面 | 英語 | スコットランド語/英語表現 | スコットランド・ゲール語 |
|---|---|---|---|
| こんにちは | Hello | Hello / Aye | Halò (ハロ) |
| 元気? | How are you? | How's it goin'? | Ciamar a tha thu? (キマー ア ハ ウ?) |
| ありがとう | Thank you | Cheers | Tapadh leat (タパラット) |
| 乾杯 | Cheers | Cheers | Slàinte mhath! (スランジ ヴァ!) |
特にパブで乾杯する時の「スランジ ヴァ!」は、覚えておくと盛り上がること間違いなしです!
スコットランドで英語は通じる?
結論から言うと、スコットランドではほぼ100%、どこでも英語が通じます。首都のエディンバラやグラスゴーといった大都市はもちろん、地方の小さな村でも英語でのコミュニケーションに困ることはまずないでしょう。
先ほどお話ししたように、独特の訛りや表現はありますが、基本的には私たちが学校で習った英語がベースです。もし聞き取れなかったら、「Sorry?」や「Could you say that again?」と聞き返せば、ゆっくり話してくれたり、違う言葉で言い換えてくれたりするはずです。スコットランドの人々は親切でフレンドリーな方が多いので、心配はいりませんよ。
「スコットランドは何語」の背景にある歴史と文化

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スコットランドでこれほど多様な言語が共存しているのには、国の成り立ちに関わる深い歴史と文化が関係しています。言葉の変遷を知ることは、スコットランドという国そのものを理解する旅でもあるんですね。
なぜ3つの言語が共存しているのか
もともとスコットランドの地では、ケルト系のゲール語が広く話されていました。しかし、中世になると、現在のイングランド北東部やスコットランド南東部に住んでいたゲルマン系のアングル人が、スコットランド語の原型となる言葉を持ち込みます。これが低地地方(ローランド)で広まっていきました。
そして1707年、スコットランドがイングランドと合邦してグレートブリテン王国が成立すると、政治や教育の中心がロンドンに移り、公的な場面で標準英語が使われるようになっていきます。こうして、元々あったゲール語、地域で発展したスコットランド語、そして統治の過程で広まった英語という、3つの言語が共存する現在の状況が生まれたのです。
言葉の歴史とゲール語衰退の理由
ゲール語はかつてスコットランドの主要言語でしたが、歴史の中で徐々にその話者を減らしてきました。特に大きなきっかけとなったのが、18世紀に起きた「ジャコバイトの反乱」です。
反乱が鎮圧された後、イングランド政府はゲール語やタータンチェック、バグパイプといったハイランド文化を徹底的に弾圧しました。さらに19世紀の「ハイランド・クリアランス」と呼ばれる強制移住政策により、ゲール語を話すコミュニティが解体され、多くの人々が故郷を追われたことも大きな打撃となりました。
その後、学校教育が英語で行われるようになったことも、ゲール語が親から子へと受け継がれにくくなった原因の一つと考えられています。
言語の歴史は複雑
ここで紹介したのは歴史の非常に簡略化された側面です。言語の変遷には様々な要因が絡み合っており、専門家の間でも見解が分かれる点があります。あくまで一つの流れとして捉えていただければと思います。
言語復興に向けた現代の取り組み
厳しい時代を経てきましたが、20世紀後半から、自分たちの文化遺産であるゲール語を見直そうという動きが活発になりました。現在、スコットランドではゲール語の復興に力が入れられています。
2005年には「ゲール語法」が制定され、公用語として英語と同等の地位が認められました。ゲール語だけで教育を行う学校(イマージョン教育)が設立されたり、先ほども触れたゲール語専門テレビ局「BBC Alba」が開局したりと、様々な取り組みが行われています。こうした努力によって、ゲール語を学ぶ若い世代も少しずつ増えているそうです。
アイルランドの言語との関係性
スコットランド・ゲール語は、お隣のアイルランドで話されているアイルランド・ゲール語(アイルランド語)と非常に近い関係にあります。もともとは同じ一つの言語だったものが、スコットランドへ渡った人々によって持ち込まれ、長い年月をかけてそれぞれ独自の変化を遂げていった、というのが定説です。
例えるなら、日本語の本土方言と琉球方言のような関係に近いかもしれません。基本的な単語や文法には共通点が多いので、スコットランド・ゲール語話者とアイルランド語話者は、ある程度お互いの言っていることを理解できるそうですよ。
グラスゴーの訛りは特にひどい?
スコットランドの中でも、特に訛りが個性的で聞き取りにくいと言われるのが、最大都市グラスゴーです。グラスゴーの訛りは「グラスウィージャン(Glaswegian)」と呼ばれ、独特のスラングや早口な話し方が特徴です。
地元の人同士の会話は、まさに「暗号」のように聞こえることもあるかもしれません。でも、これは労働者階級の街として発展してきたグラスゴーの、パワフルで気取らない文化の表れでもあります。もし現地でタクシーの運転手さんなどと話す機会があれば、そのユニークな響きをぜひ体感してみてください。それもまた、旅の忘れられない思い出になるはずです。
まとめ:スコットランドは何語かの答え
さて、今回は「スコットランドでは何語が話されているのか」というテーマで、3つの言語とその背景について掘り下げてみました。
結論をまとめると、スコットランドの公用語は英語とスコットランド・ゲール語で、多くの人が日常的に話すのは英語です。そのため、旅行者がコミュニケーションで困ることはまずありません。
しかし、その英語には「スコティッシュ・イングリッシュ」という独特の訛りがあり、さらに英語とは異なる「スコットランド語」も人々の生活に深く根付いています。そして、ハイランド地方などでは、ケルトの響きを持つ「ゲール語」が今も大切に受け継がれています。
この言語の多様性こそが、スコットランドの複雑な歴史と豊かな文化を物語っています。訪れる前に少しでも言葉の背景を知っておけば、旅はもっと味わい深いものになるはずです。ぜひ、現地の言葉の響きにも耳を傾けながら、素敵なスコットランドの旅を楽しんでくださいね。